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産業廃棄物の保管場所のルールとは?看板や囲いの立て方も解説

1. 産業廃棄物の保管場所についてのルール

産業廃棄物の保管場所には、周辺環境への影響を防ぎつつ適切に管理するためのルールがあります。ここでは、囲いの設置から看板表示、飛散や流出の防止、積み上げ高さの考え方まで順に解説します。

1-1. 囲いの設置

産業廃棄物の保管場所には、周囲に囲いを設けることが求められています。囲いは、保管する範囲を明確にし、廃棄物の飛散や流出を防ぎながら、適切に管理するための基本となるものです。法令では囲いの形状や材質まで細かく定めていませんが、保管する廃棄物の種類や状態、量に応じて、周辺環境に影響が及ばないように設ける必要があります。

また、保管した廃棄物の荷重が囲いに直接かかる場合は、その荷重に耐えられる安全な構造でなければなりません。単に区画を示すだけでなく、保管場所を安定して維持できる囲いを設けましょう。廃棄物の性状に合わない囲いでは、保管基準を満たしにくくなるおそれもあります。管理しやすい状態を保つ視点も大切です。

1-2. 看板の設置

産業廃棄物の保管場所には、見やすい箇所に掲示板や看板を設置することが求められています。掲示板は、その場所が産業廃棄物の保管場所であることを周囲に明示し、適切な管理につなげるためのものです。大きさにも基準があり、一定以上のサイズを満たした上で、必要事項が分かるように表示しなければなりません。

看板の設置は、保管場所を明確にし、管理者や保管内容を周囲から確認できる状態にするための基本的なルールです。表示内容が不十分であったり、見えにくい場所に設置されていたりすると、適正な保管とみなされないおそれがあります。また、掲示が分かりにくいと、保管場所の用途や管理状況を外部から把握しにくくなるため、周囲から確認しやすい状態を保つことも大切です。

1-3. 飛散・流出・地下浸透・悪臭発散の防止

産業廃棄物の保管場所では、廃棄物が飛散したり流出したりしないように管理し、地下への浸透や悪臭の発散も防がなければなりません。保管方法が不適切だと、周辺環境の悪化や近隣トラブルにつながるおそれがあります。特に、水分を含むものや臭気が出やすいものは、保管中の状態変化にも注意が必要です。

保管場所の状態や廃棄物の性状に応じて、容器を用いる、床面を適切に管理する、覆いを設けるなどの措置を講じ、外部へ影響が及ばない状態を保つことが求められます。また、雨水の流入や汚水の発生にも配慮し、周囲の生活環境に支障を生じさせないよう継続して管理しましょう。飛散や悪臭を放置すると、保管基準違反だけでなく、周辺への迷惑にもつながります。

1-4. 公共水域や地下水の汚染対策

産業廃棄物の保管場所では、汚水が生じるおそれのある場合に、公共水域や地下水を汚染しないよう対策を講じる必要があります。雨水の流入や廃棄物から出る水分によって汚水が発生すると、周辺環境へ影響が及ぶおそれがあるためです。そのため、排水溝などの設備を設けたり、底面を不浸透性の材料で覆ったりして、汚水が外部へ流出したり地下へ浸透したりしない状態を保つことが求められます。

廃棄物の性状によっては、容器で保管したり雨水の影響を受けにくくしたりする工夫も有効です。保管場所では、汚水の発生や流出を防ぎ、周囲の水環境や生活環境に悪影響を及ぼさないよう、継続して管理しましょう。

1-5. 害虫の発生予防

産業廃棄物の保管場所では、ねずみが生息し、蚊やハエなどの害虫が発生しないように管理することが求められます。害虫が発生すると、保管場所の衛生状態が悪化するだけでなく、周囲の生活環境にも悪影響を及ぼすおそれがあります。特に、有機物を含む廃棄物や水分を含みやすい廃棄物は、害虫の発生につながりやすいため注意が必要です。廃棄物の種類や状態に応じて適切に保管し、保管場所を清潔に保ちながら、発生しやすい環境を作らない管理が重要です。

放置すると悪臭や衛生問題にもつながるため、日常的な点検と清掃を行い、保管場所の状態を継続して確認することが欠かせません。周囲への影響を防ぐためにも、衛生面に配慮した保管管理が必要です。

1-6. 積み上げる高さの制限遵守

産業廃棄物を容器に入れず屋外で保管する場合は、積み上げる高さの基準を守らなければなりません。高さ制限は、廃棄物の崩れや流出を防ぎ、保管場所を安全に管理するために設けられています。囲いに接しない場合と接する場合では基準が異なり、いずれも定められた勾配や高さの範囲内で保管する必要があります。

特に、囲いの近くまで高く積み上げると、囲いへの負荷が大きくなり、安全性や周辺環境への影響につながるおそれがあります。屋外保管では、保管量だけでなく積み上げ方にも注意し、基準に沿った高さ管理を行うことが重要です。違反すると、飛散や流出の原因になり、適正保管と認められにくくなるおそれもあります。保管状況を継続して確認することも大切です。

特別管理産業廃棄物の保管基準

特別管理産業廃棄物の保管では、通常の産業廃棄物より厳しい基準が設けられており、ほかの廃棄物の混入防止に加え、種類ごとの性状に応じた措置も必要です。ここでは、保管時に押さえたい基準を解説します。

ほかの廃棄物の混入防止

特別管理産業廃棄物の保管では、ほかの廃棄物や物品が混入しないように区分して管理することが求められます。混合が起こると、性状の把握や適正処理が難しくなり、事故や環境上のリスクが高まるおそれがあるためです。そのため、保管場所では仕切りを設けるなどして、ほかのものと明確に分けておく必要があります。

特別管理産業廃棄物は通常の産業廃棄物より厳格な管理が必要であり、保管時にも混入防止を前提とした区分管理が欠かせません。保管容器や保管区画を分け、外部から見ても混在していないと分かる状態を保ちましょう。感染性廃棄物など一部には例外的な扱いがありますが、基本はほかのものと混ざらない状態を維持する必要があります。

特別管理産業廃棄物の種類ごとの必要な措置

特別管理産業廃棄物は、爆発性、毒性、感染性などの性状を持つため、通常の産業廃棄物より厳格な保管基準が設けられています。保管時には、ほかの廃棄物との混合を防ぐだけでなく、種類ごとの性状に応じた措置を講じることも必要です。

たとえば、揮発しやすいものは密封や高温防止、腐食性があるものは腐食防止、飛散しやすいものは梱包などの対応が求められます。種類に合わない保管をすると、漏えい、飛散、悪臭、周辺環境への影響につながるおそれがあるため、各廃棄物の特性に応じた管理が欠かせません。主な種類と必要な措置は、次の表の通りです。

種類必要な措置
廃油、PCB汚染物、PCB処理物、廃水銀等容器に入れて密封するなど、揮発を防ぐための措置を講じる。あわせて、高温にさらされないように管理する。
廃酸、廃アルカリ容器に入れて密封するなど、腐食を防止するための措置を講じる。
PCB汚染物、PCB処理物腐食を防止するために必要な措置を講じる。
廃石綿等梱包するなど、飛散を防止するための措置を講じる。
腐敗するおそれのある特別管理産業廃棄物容器に入れて密封するなど、腐敗を防止するための措置を講じる。

産業廃棄物の保管場所の囲いについてのルール

産業廃棄物の保管場所に設ける囲いには、保管方法に応じた考え方があります。屋内と屋外では確認すべき点が異なるため、保管範囲を明確にした上で、周辺環境への影響を防ぎながら適切に管理しましょう。ここでは、屋内と屋外それぞれの考え方を解説します。

3-1. 屋内の場合

屋内で産業廃棄物を保管する場合は、建物の壁や室内の区画によって保管場所の範囲が明確になっていれば、屋外のような囲いを別に設けずに管理されることがあります。ただし、保管場所が不明確なままでは適正管理が難しくなるため、区画を明確にし、ほかのものと混ざらない状態を保つことが重要です。特に複数種類の廃棄物を保管する場合は、仕切りなどを設けて混入を防ぎ、種類ごとに分けて管理しなければなりません。

屋内保管でも、単に建物の中に置けばよいわけではなく、保管範囲が分かり、管理しやすく、周囲に影響を及ぼさない状態を維持することが求められます。また、容器の置き方や通路の確保にも配慮し、保管場所として継続して管理できる状態にしておくことが大切です。

3-2. 屋外の場合

屋外で産業廃棄物を保管する場合は、保管場所の周囲に囲いを設けるだけでなく、廃棄物の積み上げ方にも注意が必要です。特に、容器を用いずに保管する場合は、廃棄物が囲いに接するかどうかで高さの基準が異なります。囲いに接しない場合は、囲いの下端から勾配50%以下に収めなければなりません。

囲いに接する場合は、囲いの内側2m以内を囲いの上端より50cm以下とし、さらに内側は勾配50%以下で保管する必要があります。屋外保管では、囲いの設置とあわせて、保管量や積み方まで含めて安全に管理できる状態を保つことが大切です。高さの基準を守らずに積み上げると、崩れや流出の原因となり、周辺環境へ影響を及ぼすおそれもあります。

(出典:大阪府「■産業廃棄物の保管」/https://www.pref.osaka.lg.jp/documents/18878/hokankijun.pdf

4. 産業廃棄物の保管場所に立てる看板のルール

産業廃棄物の保管場所には、見やすい場所に看板を設置する必要があります。看板には大きさの基準があり、記載すべき内容も定められています。ここでは、サイズ、必須項目、特別管理産業廃棄物との違い、設置が必要となる場所の考え方を解説します。

4-1. サイズは60cm角以上で作成

産業廃棄物の保管場所に設置する看板は、縦横それぞれ60cm以上の大きさで作成しなければなりません。これは、保管場所であることや必要事項を周囲から確認しやすくするための基準です。文字の大きさや色に細かな規定はありませんが、小さすぎたり見えにくかったりすると、看板を設置していても十分な表示とはみなされにくくなります。そのため、法定サイズを満たすだけでなく、離れた位置からでも内容を確認しやすいように作成することが重要です。

サイズが不足すると必要事項を無理に詰め込むことになり、視認性が下がるおそれもあります。保管場所の表示は周囲への周知や適正管理のために行うものなので、寸法の基準を守った上で、読み取りやすい看板にする必要があります。

4-2. 必須となる項目の記載

産業廃棄物の保管場所に設置する看板には、必要な項目を正しく記載する必要があります。記載漏れがあると、看板を掲げていても保管基準を満たしていないと判断されるおそれがあります。主な必須項目は次の通りです。

項目記載内容
保管場所である旨産業廃棄物の保管場所であることを明示します。
産業廃棄物の種類保管している産業廃棄物の種類を記載します。石綿含有産業廃棄物、水銀使用製品産業廃棄物、水銀含有ばいじん等を含む場合は、その旨も記載します。
管理者の氏名または名称保管場所の管理者が誰か分かるように記載します。
連絡先異常時や問い合わせ時に連絡できる電話番号などを記載します。
最大積み上げ高さ屋外で容器を用いずに保管する場合に記載します。
保管上限積替えのための保管や、一定の処分のための保管に当たる場合に記載が必要です。

看板には、保管場所である旨だけでなく、管理者情報や保管内容まで分かるように記載しましょう。特に、石綿含有産業廃棄物、水銀使用製品産業廃棄物、水銀含有ばいじん等を含む場合は、その旨も明示しなければなりません。

また、屋外で容器を用いずに保管する場合は、最大積み上げ高さの表示も必要です。記載内容は実際の保管状況と一致させ、変更があった場合は速やかに更新することが重要です。連絡先は、外部から確認した人がすぐ連絡できるものにしておく必要があります。

4-3. 特別管理産業廃棄物の区別

特別管理産業廃棄物を保管する場所では、看板にも通常の産業廃棄物とは異なる区別が必要です。看板には、単に廃棄物の種類を書くのではなく、その場所が特別管理産業廃棄物の保管場所であることが分かるように表示しなければなりません。これは、特別管理産業廃棄物が爆発性、毒性、感染性などを持ち、通常より厳格な管理が求められるためです。

表示があいまいだと、保管基準や管理区分が分かりにくくなり、作業者や関係者が適切に対応しにくくなるおそれがあります。そのため、看板では産業廃棄物と特別管理産業廃棄物を明確に書き分け、保管場所の性質が一目で分かる状態にしましょう。管理区分がはっきりしていれば、保管や確認の際の混乱も防ぎやすくなります。

4-4. 設置が必須になる場所・ならない場所の区別

産業廃棄物の看板は、産業廃棄物を保管する場所に設置することが求められます。つまり、設置が必須かどうかは、そこが法令上の「保管場所」と言えるかで判断することになります。継続して廃棄物を置く集積場所や、保管区画として管理している場所では、看板の設置が必要です。

一方で、工程内で一時的に発生した少量の廃棄物を短時間置く容器や、まだ保管場所として区画されていない場所まで、直ちに同じ扱いになるとは限りません。重要なのは、廃棄物を一定期間とどめて管理する場所かどうかを踏まえ、周囲から保管場所と分かる状態にしておくことです。実務では、最終的に集積して管理する場所には設置が必要と考えるのが適切です。

5. 産業廃棄物の保管方法

産業廃棄物の保管方法には、廃棄物の性状や量に応じて使い分けられる容器があります。代表的なものとして、フレコンバッグ、コンテナ、ドラム缶があり、それぞれ適した用途や特徴が異なります。ここでは、主な保管方法と使い分けの考え方を解説します。

5-1. フレコンバッグ

フレコンバッグは、産業廃棄物の保管方法の1つで、大量の廃棄物をまとめて扱いやすい大型の袋です。主にポリプロピレンやポリエチレンなどの化学繊維で作られており、フォークリフトやクレーンで運びやすく、使わないときは折りたたんで省スペースで保管できます。紙くず、木くず、繊維くずなど幅広い廃棄物の保管に使われますが、柔らかい素材のため、尖ったものを入れると破損するおそれがあります。

また、紫外線や雨風による劣化、水分を多く含む廃棄物による汚水漏れにも注意が必要です。安全に使うには、内容物に合った使用と、事前の破損・劣化確認を徹底することが重要です。積み上げる場合は、荷重による破損や漏れにも配慮が求められます。

5-2. コンテナ

コンテナは、がれき類、木くず、金属くず、ガラスくず、コンクリートくずなど、比較的大きさや重さのある産業廃棄物の保管に適した方法です。特に建設現場や解体現場では、着脱式コンテナであるバッカンがよく使われており、廃棄物を集めた後、そのまま運搬しやすい点が特徴です。強度が高く、重量のある廃棄物にも対応しやすい一方、上部が開いているタイプでは飛散、流出、雨水の侵入を防ぐ対策が必要です。

用途に応じて、金属製やプラスチック製、ふた付きなど形状も異なるため、廃棄物の種類や現場環境に合ったものを選びましょう。保管時は内容物に応じた管理もしなければならず、必要に応じてシート掛けなどの措置も求められます。

(内部リンク:「バッカンとは」)

5-3. ドラム缶

ドラム缶は、汚泥や廃油、廃酸、廃アルカリなど、液体状または泥状の産業廃棄物の保管に適した方法です。密閉しやすく、内容物の漏れや飛散を防ぎやすいため、性状に応じて使い分けられています。取り外し可能なふた付きのオープンドラム缶は固形物や粉末にも使いやすく、ふたが固定されたクローズドラム缶は液体の保管に向いています。

ただし、長期間の屋外保管では腐食や劣化による漏れに注意が必要です。直射日光や雨風の影響を受けると容器が傷みやすくなるため、保管環境にも配慮しなければなりません。内容物に応じて耐腐食性や耐熱性のある容器を選び、使用前後に破損や変形がないか確認しながら適切に管理しましょう。

6. 産業廃棄物は仮置きできる?

産業廃棄物の保管では、法律上「仮置き場」という独立した区分があるわけではなく、一時的に置く場合でも基本的には保管として扱われます。そのため、短期間だけ置くつもりであっても、囲いの設置、掲示板の表示、飛散・流出・地下浸透・悪臭の防止など、法定の保管基準を守らなければなりません。

特に、排出事業者が建設工事に伴って生じた産業廃棄物を、工事現場の外で保管する場合は、事業場外保管として扱われることがあります。このうち、保管場所の面積が300m2以上である場合は、都道府県知事への事前届出が必要です。また、運搬先があらかじめ定まっていること、搬入量が適切に保管できる範囲であること、性状が変化する前に搬出することなども求められます。

地震や水害などの非常時には事後届出が認められる場合もありますが、仮置きだからといって保管基準が緩和されるわけではありません。通常の保管と同様に、周辺環境へ配慮しながら適正に管理する必要があります。

まとめ

産業廃棄物の保管場所では、囲いの設置、看板表示、飛散・流出・地下浸透・悪臭の防止、害虫対策、積み上げ高さの管理など、法令に沿った対応が必要です。特別管理産業廃棄物は、通常の産業廃棄物より厳しい基準が設けられており、混入防止に加えて種類ごとの措置も求められます。

また、囲いや看板には設置方法や記載内容の基準があり、保管方法もフレコンバッグ、コンテナ、ドラム缶など、廃棄物の性状に応じて選びましょう。仮置きであっても保管基準は変わらないため、周辺環境へ配慮しながら適正に管理する必要があります。

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