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廃酸の処分方法とは?処理の流れや廃アルカリとの違いを解説

廃酸の処分風景

事業活動に伴い排出される廃酸は、産業廃棄物として法令に則った適切な処分が求められます。 そのまま廃棄すると環境汚染や人体への悪影響を及ぼす危険性があるためです。 廃酸の処理方法は、その性質や成分によって異なり、主に中和、焼却、リサイクルの3つに大別されます。 本記事では、廃酸の定義や種類、具体的な処分方法、廃アルカリとの違い、処分費用の目安について解説します。

廃酸とは?基準となるpH値もあわせて解説

廃酸とは、事業活動に伴って排出される酸性の廃液全般を指す産業廃棄物の一種です。 具体的には、化学工場や金属工場などの製造工程で生じる硫酸や塩酸、硝酸といった廃液が該当します。 廃酸に分類されるかどうかの基準は、水素イオン濃度指数であるpH値によって判断されます。 液体状の廃棄物で、pH値が6.0未満のものが廃酸と定義されています。 特に腐食性が強く、pH2.0以下の廃酸は「特定有害産業廃棄物」として特別管理産業廃棄物に分類され、通常の産業廃棄物よりも厳格な収集運搬・処分の基準が適用されます。

具体的にどんなものが廃酸に該当する?

廃酸には無機酸と有機酸があり、様々な業種の事業活動から排出されます。 代表的なものとして、化学工業における各種製造工程から出る廃硫酸や廃塩酸、鉄鋼業や非鉄金属製造業における金属表面の洗浄・加工工程で生じる酸洗い廃液が挙げられます。 また、食品製造業では、設備の殺菌や洗浄に使用された酸性の液体が廃酸となります。 ほかにも、大学や研究所での化学実験から出る試験廃液、写真現像施設から出る定着廃液なども廃酸に該当します。 このように、廃酸は特定の業種に限らず、幅広い事業活動から発生する産業廃棄物です。

廃酸と廃アルカリの明確な違い

廃酸と廃アルカリは、どちらも腐食性を有する液体状の産業廃棄物ですが、その性質は正反対です。 この違いはpH値によって明確に区別され、pH6.0未満の酸性の液体が廃酸、pH8.0以上のアルカリ性の液体が廃アルカリに分類されます。 廃アルカリの具体例としては、めっき工場から出る廃液や石鹸・洗剤の製造工程で生じる廃液などがあります。 両者は化学的に対極の性質を持つため、混合すると中和反応と呼ばれる激しい化学反応が起こり、高温の熱や有毒ガスが発生する危険が伴います。 そのため、保管や運搬、処分の際には決して混合しないよう厳重な管理が求められます。

廃酸の主な3つの処分方法

廃酸を安全に廃棄するためには、専門知識と設備を用いた適切な処理が不可欠です。 主な処理方法としては「中和処理」「焼却処理」「再資源化(リサイクル)」の3つが存在します。 どの方法を選択するかは、廃酸の種類、濃度、含有する成分などによって総合的に判断されます。 排出事業者は、委託する処理業者が廃酸の性質に適した処理方法に対応できるかを確認する必要があります。 これらの方法により、環境への影響を最小限に抑えながら安全に処分することが可能となります。

中和処理で安全な物質に変える

中和処理は、廃酸の処分において最も一般的に用いられる方法です。 この処理では、廃酸に水酸化ナトリウムや消石灰といったアルカリ性の薬剤を添加し、化学反応を起こさせて酸性を中和します。 この反応によって、危険性の高かった酸性の廃液は、環境への影響が少ない塩と水に分解されます。 処理後の液体は、下水道放流基準や水質汚濁防止法で定められた基準値を満たしていることを確認した上で、安全に放流されます。 また、中和の過程で沈殿物として発生した汚泥は、脱水や乾燥といった中間処理を経て、埋め立て処分など別の方法で適切に処理されます。

焼却処理で無害化する

焼却処理は主に有機酸のような可燃性の成分を含む廃酸や中和処理が困難な高濃度の廃酸の処分に用いられる方法です。廃酸を焼却炉で高温燃焼させることにより含まれている有害物質を熱分解し無害化または安定化させます。この処理方法の利点は廃液の容量を大幅に削減できる点にあります。 ただし焼却時にダイオキシン類などの有害なガスが発生する可能性があるため排ガスを浄化する高度な処理設備が不可欠です。焼却後に残った焼却灰は有害物質が環境中に流出しないよう管理された最終処分場に運ばれ埋め立てられます。

再資源化(リサイクル)によって有効活用する

廃酸は単に廃棄処分するだけでなく再資源化によって有益な物質として生まれ変わらせることもできます この方法は特定の成分を高濃度で含んでいる廃酸などに適用されます 例えば不純物を取り除くための蒸留やろ過といった精製工程を経て再生酸として製品の原料にしたり他の化学製品の原料として再利用したりします 具体的な事例として鉄鋼の酸洗い工程から出る廃酸から鉄塩を回収し上下水道施設で使われる水処理凝集剤として活用するケースがあります リサイクルは廃棄物の削減につながるだけでなく資源の有効活用という観点からも環境負荷の低減に貢献する処理方法です

廃酸の処分にかかる費用の目安

廃酸の処分にかかる費用は、1kgあたり数十円から数百円程度が一般的な目安ですが、これはあくまで参考値です。 実際の処理費用は、廃酸の種類(硫酸、塩酸など)、濃度、有害物質の含有状況、総量、そして運搬距離といった様々な要因によって大きく変動します。 特に、pH2.0以下の特定有害産業廃棄物に該当する廃酸は、より高度な管理と専門的な処理設備が必要になるため、処分費が高額になる傾向にあります。 正確な費用を把握するためには、複数の産業廃棄物処理業者に見積もりを依頼し、比較検討することが重要です。 その際、廃酸のサンプルや成分分析表などを提示すると、処理業者はより精度の高い見積もりを算出できます。

まとめ

廃酸は、事業活動から排出されるpH6.0未満の酸性廃液であり、産業廃棄物として法令に基づいた適正な処理が義務付けられています。 主な処分方法には、アルカリ剤で無害化する中和処理、高温で分解する焼却処理、そして有用な資源として再生する再資源化(リサイクル)があり、廃酸の性質や状態に応じて最適な方法が選択されます。 性質が正反対である廃アルカリとの混合は、危険な化学反応を引き起こすため厳禁です。 処分費用は廃酸の種類や量、処理業者によって異なるため、複数の業者から見積もりを取得し、比較検討することが求められます。 排出事業者は、廃酸の特性を正確に把握し、許可を持つ専門業者に委託することで、法令を遵守し、環境保全に配慮した処分を徹底する必要があります。

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