法人が使用していたpcは、家庭ごみとして簡単に処分できるものではありません。事業活動に伴って発生したパソコンは、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)に基づき「事業系廃棄物」として扱われます。
実務上は、パソコンは廃プラスチック類・金属くず・ガラスくず等の混合物に該当するため、産業廃棄物として処理されるのが一般的です。
本記事では、法的根拠を踏まえた正しい処分方法、費用相場、違反リスク、信頼できる業者の選び方まで詳しく解説します。
事業で使ったパソコンは産業廃棄物|法的な位置づけ
法律上の分類
廃棄物処理法では、廃棄物は次の2種類に分けられます。
パソコン自体は「品目名」として明記されているわけではありませんが、構成素材ごとに分類されます。
例:
- 外装 → 廃プラスチック類
- 基板 → 金属くず
- 液晶 → ガラスくず
そのため、法人が排出するパソコンは産業廃棄物扱いで処理するのが実務上の原則です。
家庭用パソコンとの違い
家庭用パソコンは、資源有効利用促進法に基づきメーカー回収が行われます。
一方で法人の場合:
- 事業活動由来 → 事業系廃棄物
- 排出事業者責任が発生
つまり、メーカー回収を利用したとしても、最終責任は法人にあります。
不適切処分の罰則リスク
廃棄物処理法違反には厳しい罰則があります。
主な例:
- 不法投棄:5年以下の懲役または1,000万円以下の罰金(法人は3億円以下)
- 無許可業者への委託:同様に重い罰則
「知らなかった」では免責されません。
法人には排出事業者責任があるため、適正委託が義務です。
【3つの正しい処分方法】法人パソコンの廃棄手段
方法1:産業廃棄物処理業者へ委託(最も確実)
許可を持つ業者に委託する方法です。
確認すべき許可:
メリット:
方法2:パソコン専門リサイクル業者へ依頼
再資源化を前提としたリサイクル処理を行う業者に依頼する方法です。
ただし注意点:
- 産廃許可の有無確認が必要
- 「無料回収」業者は慎重に判断
方法3:メーカー回収制度の利用
メーカー回収も可能ですが、
- 法人名義でも対応可能か確認
- 回収証明の取得
- 適正処理の確認
が必要です。
産業廃棄物として処理する4ステップ
STEP1:データ完全消去
物理破壊または専用ソフトによる論理消去を実施。
証明書発行が望ましい。
STEP2:許可業者と契約
委託契約書を締結し、委託基準を満たす業者か確認。
STEP3:収集・運搬
適切な梱包と管理のもと搬出。
STEP4:マニフェスト管理(5年間保存)
マニフェストの交付・保管は法的義務です。
電子マニフェストの活用も増えています。
費用相場(実務ベース)
費用は大きく幅があります。
目安:
- デスクトップ:3,000~8,000円
- ノートPC:2,000~5,000円
- サーバー:10,000円以上
- データ消去証明:1,000~3,000円
※大量処分や資源価値が高い場合は無償回収のケースもあります。
業者選び3つのチェックポイント
- 許可番号を提示できるか
- データ消去証明書を発行するか
- 見積書が明確か(収集運搬費・処分費の内訳)
よくある質問(専門回答)
Q. 周辺機器も産業廃棄物?
はい。モニター、キーボード、プリンターも事業使用なら産業廃棄物です。
Q. リースPCは?
所有権はリース会社にあるため、契約内容を確認。通常はリース会社が回収します。
Q. 分解して家庭ごみに出せる?
違法です。
事業系廃棄物は形を変えても事業系のままです。
まとめ(法務視点)
法人のpcは原則として産業廃棄物扱いとなります。
適正処理の責任は法人にあり、違反時の罰則は非常に重いものです。
重要ポイント:
- 許可業者へ委託
- データ完全消去
- マニフェスト管理
- 委託契約書の締結
法令遵守と情報セキュリティ対策を両立させ、リスクゼロの処分体制を構築しましょう。