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産業廃棄物処理費の勘定科目は?仕訳例とケース別の処理方法を解説!

事業系廃棄物(事業ゴミ)の種類

産業廃棄物の勘定科目を考える前に、まず整理しておきたいのが「そのごみが何に当たるのか」です。

事業活動に伴って出るごみは、法律上は大きく事業系一般廃棄物と産業廃棄物に分かれます。ここを誤ると、処理委託先の選び方や必要な書類、マニフェストの扱いまで変わってくるため、会計処理の前提として押さえておく必要があります。

環境省でも、廃棄物は大きく産業廃棄物と一般廃棄物に区分されると整理しています。

(出典:環境省「令和6年版 環境・循環型社会・生物多様性白書 状況第2部第3章第1節 廃棄物等の発生、循環的な利用及び処分の現状」/https://www.env.go.jp/policy/hakusyo/r06/html/hj24020301.html

事業系一般廃棄物

事業系一般廃棄物とは、事業活動に伴って発生した廃棄物のうち、産業廃棄物に該当しないものです。オフィスから出る書類、飲食店の残飯、木製の割り箸などが代表例として挙げられます。

たとえば、事業所で従業員が昼食をとった際に出る食べ残しは一般廃棄物として扱う一方で、同じ場面で出た弁当のプラスチック容器は廃プラスチック類として産業廃棄物になるところもあります。つまり、「事業所から出たごみだから全部産業廃棄物」ではなく、材質や法令上の区分で判断しなければなりません

産業廃棄物

産業廃棄物は、事業活動に伴って生じた廃棄物のうち、法令で定められた種類に該当するものです。代表例としては、廃プラスチック類、金属くず、廃油、汚泥、がれき類などがあり、紙くず・木くず・繊維くずは業種限定で産業廃棄物になる場合があります。環境省の資料でも、産業廃棄物は法令で定める種類に沿って扱われています。

(出典:環境省「廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法) | 環境再生・資源循環」/https://www.env.go.jp/recycle/waste/laws.html

事業系一般廃棄物と産業廃棄物の違いを、ざっくり整理すると次のとおりです。

区分主な例実務上のポイント
事業系一般廃棄物オフィスの紙ごみ、飲食店の残飯市町村ルールや一般廃棄物処理の枠組みを確認する
産業廃棄物廃プラスチック類、金属くず、汚泥、がれき類など許可業者への委託やマニフェスト対応が必要になる場合がある

そもそもの廃棄物区分が違えば、処理費の内容や証憑の意味合いも変わってきます。勘定科目の検討は、区分を押さえたうえで行うのが基本です。

産業廃棄物処理費の勘定科目に関する基本ルール

ここでは、産業廃棄物処理費の勘定科目を考えるときの基本ルールを整理します。最初に押さえておきたいのは、産業廃棄物処理費という名称の法定勘定科目があるわけではないという点です。中小企業の会計に関する基本要領では、企業の実態に応じて勘定科目等を適宜加除・集約できるとされています。

また、個人事業主向けの国税庁資料でも、特殊な経費がある場合には空欄に経費科目を設けて記入できると案内されています。

(出典:中小企業庁「中小企業の会計に関する基本要領」/https://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/youryou/about/download/0528KaikeiYouryou-1.pdf

その一方で、企業会計原則の継続性の原則では、1つの会計事実について選択した会計処理の原則や手続きは、正当な理由がある場合を除いて継続して適用すべきとされています。つまり、自由に科目設定できるからこそ、会社としての基準を持つことが大切です。

章の要点を先にまとめると、次の4つです。

  • 勘定科目は自社の実態に合わせて設定する
  • 一度決めた処理方法は継続して使う
  • 勘定科目の名称は社内で統一する
  • 後から見て内容が分かる名称にする
     

勘定科目は自社の状況に合わせて設定する

勘定科目は、会社の規模、業種、処理費の発生状況に合わせて設定するのが基本です。中小会計要領が、企業の実態に応じて勘定科目を加除・集約できるとしているのは、まさにこの考え方によるものです。

たとえば、建設業のように現場ごとに廃棄物処理費が発生し、工事原価に近い性格を持つ会社なら、売上原価や工事原価の枠組みで管理したほうが実態をつかみやすいことがあります。一方、一般的なオフィスで年に数回粗大ごみ処分がある程度なら、支払手数料や雑費でも十分対応できることがあります。

大切なのは、科目名そのものよりも、その費用が何のために発生したのか、帳簿から読み取れることです。実態に合っていない科目を使うと、月次の損益把握や原価管理がしにくくなります。

一度決めた勘定科目は継続して使う

勘定科目の運用では、その場しのぎで毎回科目を変えないことが重要です。企業会計原則注解では、同じ会計事実に対して異なる処理を繰り返すと、期間比較が難しくなり、利害関係者の判断を誤らせるおそれがあるため、いったん採用した会計処理は継続適用すべきとされています。

たとえば、同じ産業廃棄物の定期回収費を、ある月は支払手数料、別の月は外注費、その次は雑費で計上してしまうと、年間の処理費がいくらかかったのか集計しにくくなります。税務上の説明だけでなく、社内のコスト管理という意味でも不利です。

もちろん、社内方針の見直しによって勘定科目を変更すること自体はあり得ます。ただし、その場合も「なぜ変更するのか」「今後はどう統一するのか」を明確にしてから移行したほうが、実務上の混乱を防ぎやすくなります

勘定科目の名称は社内で統一する

勘定科目の名称は、担当者や部門ごとにばらつかないよう社内で統一しておく必要があります。たとえば同じような処理費を、経理担当Aは「支払手数料」、総務担当Bは「雑費」、現場担当Cは「外注費」と入力してしまうと、同種費用の集計ができなくなります。

複数の拠点や事業所がある会社ほど、このばらつきは起きやすい傾向があります。そこで実務では、主科目は統一しつつ、必要に応じて補助科目で内容を分ける方法が有効です。たとえば「支払手数料」の中に「粗大ごみ処分費」「マニフェスト関連費」などの補助科目を設けると、入力ルールを維持しながら中身も把握しやすくなります。これは法令上の決まりというより、継続性と管理性を高めるための運用上の工夫です。

分かりやすく明確な名称にする

勘定科目の名称は、後から見て内容が分かることも大切です。中小会計要領は、中小企業にとって理解しやすい会計処理を重視しており、必要に応じて科目を加除・集約できるとしています。

(出典:中小企業庁「中小企業の会計に関する基本要領」/https://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/youryou/about/download/0528KaikeiYouryou-1.pdf

実務では、少額の処理費を何でも雑費に入れてしまうと、決算時や月次報告のときに「この雑費の中身は何か」が見えにくくなります。逆に、細かすぎる科目を増やしすぎると、入力ミスや仕訳のばらつきの原因になります。

そのため、たとえば産業廃棄物処理費をある程度継続的に管理したい会社なら、「支払手数料」や「外注費」を主科目にしつつ、「産廃処理費」「事業ごみ処理費」などの補助科目を設定するのが分かりやすい方法です。要は、細かすぎず、雑すぎず、後から見て意味が通じる名称にしておくことが大切です。

産業廃棄物処理費の会計処理に使われる勘定科目6つ

ここでは、産業廃棄物処理費の会計処理で使われやすい勘定科目を6つ紹介します。

これらが法令で固定されているわけではありません。ただ、実務では次のような科目が候補になりやすく、どれを選ぶかは費用の性質や発生のしかたによって変わります。

勘定科目向いているケース主な考え方
支払手数料単発の処分費、ゴミ処理券、粗大ごみ処分手数料的な性格が強い費用
外注費許可業者への定期委託、継続的な回収契約外部委託コストとして捉える
売上原価建設業・製造業などで原価性が強い場合工事・製造と直接結び付く費用
衛生費飲食店、施設、衛生管理の一部としての処理費衛生維持コストとして管理
修繕費軽微な修繕や原状回復に伴う処分費修繕と一体の少額処理に向く
雑費少額・臨時・重要性が低い費用他科目に分けなくても大きな支障がない

 

支払手数料

支払手数料は、自治体や処理業者に対して支払う手数料的な性格の費用に使いやすい勘定科目です。たとえば、ゴミ処理券の購入費用、粗大ごみ処分の料金、単発の廃棄処理費などは、この科目で処理すると意味が伝わりやすくなります。

仕訳例として、自治体のゴミ処理券4,000円分を現金で購入した場合は、次のように整理できます。

借方:支払手数料 4,000円 / 貸方:現金 4,000円

単発の支出や、継続管理の必要性が低い処理費には特に相性がよい科目です。一方で、毎月必ず発生する大きな処理費まで全部ここにまとめると、外部委託費との区別がつきにくくなることがあります。

外注費

外注費は、自社業務の一部を外部へ委託したときに使われる勘定科目です。産業廃棄物の収集運搬や処分を許可業者へ委託している場合、実務上は外注費で処理する考え方もよく見られます。

特に、月ごとや契約ベースで継続的に回収を依頼しているケースでは、単なる手数料というより、業務の一部を外部委託していると考えたほうが実態に近いことがあります。

たとえば、毎月の産廃回収費33,000円を普通預金から支払った場合は、次のような仕訳です。

借方:外注費 33,000円 / 貸方:普通預金 33,000円

定期契約の処理費や、継続的に外部へ任せている処理費には、外注費が使いやすい科目です。

売上原価

売上原価は、建設業や製造業などで、産業廃棄物処理費が工事や製造と直接結び付いている場合に候補になる勘定科目です。企業会計原則では、売上原価と販売費及び一般管理費を区分する考え方が示されており、工事・製造の遂行に直接関係する費用は原価性を持ちます。

たとえば建設現場で発生した廃材の運搬・処理費や、製造工程で発生した端材処理費などは、売上原価や工事原価の中で処理したほうが、案件別損益や原価率の管理に役立つことがあります。

仕訳例として、建設現場の廃材処理費110,000円を未払計上する場合は、次のように整理できます。

借方:売上原価 110,000円 / 貸方:未払金 110,000円

日常の事務所ごみとは違い、現場や製造に直結する費用なら、原価科目で捉える発想が重要です。

衛生費

衛生費は、店舗や施設の衛生管理の一部として発生する処理費に向いている勘定科目です。飲食店、介護施設、宿泊施設などでは、ごみ処理が単なるスポット対応ではなく、衛生維持のための日常業務の一部になっています。

そのため、定期的な事業系ごみ回収費を支払手数料として見るよりも、衛生費としてまとめたほうが費用の性質を把握しやすいことがあります。

たとえば、店舗の衛生維持のために毎月の事業ごみ回収費22,000円を支払った場合は、次のような処理が考えられます。

借方:衛生費 22,000円 / 貸方:普通預金 22,000円

なお、会社によっては「清掃費」「衛生管理費」といった名称を使うこともあります。ここでも大切なのは、名称そのものより、社内で統一して継続できるかどうかです。

修繕費

修繕費は、本来、固定資産の通常の維持管理や原状回復に関する費用に使われる勘定科目です。国税庁の通達でも、修繕費は固定資産の通常の維持管理や毀損した部分の原状回復のための支出を前提に整理されています。

そのため、設備の軽微な修繕や原状回復作業に伴って少額の廃材処分費が発生した場合には、修繕費に含めて処理する考え方があり得ます。

たとえば、設備の軽微な入替えとあわせて発生した処分費55,000円を一体で支払った場合は、次のような処理が考えられます。

借方:修繕費 55,000円 / 貸方:普通預金 55,000円

ただし、撤去や除却が主目的になっている場合は、修繕費よりも固定資産除却損など別の考え方が適切なこともあるため、何でも修繕費に入れるのは避けたいところです。

雑費

雑費は、少額で重要性が低く、他の勘定科目に細かく分けなくても大きな支障がない費用に使われます。産業廃棄物処理費でも、臨時・少額・単発で発生し、特に別管理する必要がない場合には、雑費で処理する方法があります。

たとえば、臨時で少量の廃材を処分し、費用が3,300円だった場合は、次のような仕訳が考えられます。

借方:雑費 3,300円 / 貸方:現金 3,300円

ただし、毎月発生する定期的な処理費や、金額の大きい処理費まで雑費にまとめると、中身が見えにくくなります。雑費は便利ですが、使いすぎると管理の精度が下がるため、あくまで少額・臨時の費用に絞って使うほうが無難です。

【ケース別】産業廃棄物処理費の勘定科目と仕訳例

ここでは、業種やシチュエーション別に、どの勘定科目を選びやすいかを整理します。

なお、以下の仕訳例は、あくまで実務でよくある考え方の例です。会社ごとの会計方針、原価計算の有無、金額の重要性によって、適切な処理は変わることがあります。だからこそ、個別の仕訳よりも「なぜその科目を使うのか」という考え方を押さえることが大切です。

ゴミ処理券の勘定科目

ゴミ処理券は、自治体への支払いという性格が強いため、支払手数料で処理しやすい費用です。少額で臨時のことが多く、社内管理上も分かりやすい科目です。

借方:支払手数料 4,000円 / 貸方:現金 4,000円

雑費で処理する運用もあり得ますが、同じ取引ではぶれないようにしておきたいところです。

粗大ごみ処分の勘定科目

粗大ごみ処分は、オフィス移転やレイアウト変更時など、単発で発生しやすい費用です。そのため、支払手数料との相性がよいケースが多くなります。

借方:支払手数料 8,000円 / 貸方:現金 8,000円

金額が大きく、今後も継続的に発生するなら、補助科目で「粗大ごみ処分費」を切る方法もあります。

オフィス備品廃棄の勘定科目

オフィス備品の廃棄は、備品が固定資産かどうかで考え方が変わります。固定資産として計上していた備品なら、帳簿価額の除却が必要になり、国税庁の通達でも除却損失の考え方が示されています。

(出典:国税庁「第1款 除却損失等の損金算入」/https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/hojin/07/07_07_01.htm

たとえば、帳簿価額50,000円の備品を廃棄し、処分費10,000円を支払った場合は、次のように整理しやすくなります。

借方:固定資産除却損 60,000円 / 貸方:備品 50,000円、普通預金 10,000円

一方、もともと消耗品として費用処理していた備品なら、処分費だけを支払手数料や雑費で計上する方法あります。

飲食店の事業ゴミ処理の勘定科目

飲食店では、残飯などの一般廃棄物と、プラスチック容器等の産業廃棄物が混在しやすく、処理契約も定期的になりやすいのが特徴です。

会計上は、衛生管理の一部として見るなら衛生費、外部委託費として見るなら外注費が候補になります。

借方:衛生費 25,000円 / 貸方:普通預金 25,000円

または

借方:外注費 25,000円 / 貸方:普通預金 25,000円

どちらを使うにしても、店舗運営の中でどう位置付けるかを統一しておくことが重要です。

建設業の産業廃棄物処理の勘定科目

建設業では、工事現場からがれき類や木くずなどの産業廃棄物が継続的に発生します。こうした費用は工事の遂行と直接結び付くため、売上原価や工事原価として処理する考え方が実態に合いやすいです。企業会計原則が示す売上原価と販管費の区分から見ても、原価性が高い費用といえます。

借方:売上原価 120,000円 / 貸方:未払金 120,000円

現場別損益や原価率を管理したい会社ほど、この整理のほうが数字を追いやすくなります。

マニフェスト費用の勘定科目

産業廃棄物を委託処理する際には、マニフェスト制度が関わります。環境省は、マニフェスト制度を排出事業者が産業廃棄物の処理の流れを確認するための仕組みとして案内しています。

(出典:環境省「廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法) | 環境再生・資源循環」/https://www.env.go.jp/recycle/waste/laws.html

紙マニフェストの購入代や電子マニフェストの利用料は、支払手数料で処理しやすい費用です。

借方:支払手数料 3,000円 / 貸方:普通預金 3,000円

少額なら雑費でも処理できますが、マニフェストは証憑管理上も重要なので、処理費とあわせて社内で管理方法を決めておくと安心です。

在庫・商品廃棄の勘定科目

在庫や商品の廃棄は、処分費だけでなく、商品自体の価値減少も考える必要があります。国税庁の通達には、棚卸資産の著しい陳腐化など評価損に関する考え方が示されています。

(出典:国税庁「第2款 棚卸資産の評価損」/https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/hojin/09/09_01_02.htm

実務では、商品自体の損失を「商品廃棄損」などで処理し、外部へ支払った処分費は支払手数料や外注費として分ける考え方が分かりやすいです。

借方:商品廃棄損 80,000円、支払手数料 5,000円 / 貸方:商品 80,000円、普通預金 5,000円

食品ロスのように継続的に発生する場合は、売上原価との関係も含めて社内ルールを決めておくと運用しやすくなります。

解体工事の廃棄処分費の勘定科目

解体工事に伴う廃棄処分費は、何のための解体かで考え方が変わりやすい項目です。既存資産を単純に撤去・除却するための解体なら、固定資産除却損として扱う考え方があります。国税庁の通達でも、除却損失等の考え方が示されています。

(出典:国税庁「第1款 除却損失等の損金算入」/https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/hojin/07/07_07_01.htm

借方:固定資産除却損 1,000,000円 / 貸方:普通預金 1,000,000円

ただし、土地利用価値を高めるために取得建物を取り壊すようなケースでは、同じ「解体費」でも資産計上との関係を検討する必要があります。処理目的まで見て判断することが大切です。

ケース別の考え方を一覧にすると、次のようになります。

ケース使いやすい勘定科目仕訳例の考え方
ゴミ処理券支払手数料手数料的な支出として処理
粗大ごみ処分支払手数料単発処理費として整理
オフィス備品廃棄固定資産除却損、支払手数料など資産計上の有無で分かれる
飲食店の事業ゴミ処理衛生費、外注費衛生管理か外部委託かで判断
建設業の産廃処理売上原価工事原価性が高い
マニフェスト費用支払手数料利用料・手数料として扱う
在庫・商品廃棄商品廃棄損+支払手数料等商品自体の損失と処分費を分ける
解体工事の廃棄処分費固定資産除却損など解体目的で判断する

 

産業廃棄物処理費の勘定科目を選ぶ際のポイント

産業廃棄物処理費の勘定科目には1つの固定解があるわけではありません。だからこそ、判断軸を持って選ぶことが重要です。実務では、次の3点を基準にすると整理しやすくなります。

  • 廃棄物の発生頻度
  • 事業形態(法人・個人事業主)
  • 社内ルールや仕訳の精度
     

廃棄物の発生頻度

まず見るべきなのは、その費用が単発か、継続的かです。年に1回だけ出る粗大ごみ処分なら、支払手数料や雑費で十分なことがあります。逆に、建設業の現場廃材や飲食店の定期回収費のように、毎月・毎案件で発生するなら、外注費や売上原価、衛生費などのほうが実態を把握しやすくなります

発生頻度が高い費用を雑費にまとめると、あとから「どの現場で処理費が膨らんでいるのか」「店舗ごとの廃棄コストがどうなっているのか」が見えにくくなります。一方で、年1回しか出ない少額費用のために専用科目を増やしすぎると、帳簿が複雑になります。重要性と発生頻度のバランスを見ながら選ぶのが実務的です。

事業形態(法人・個人事業主)

法人と個人事業主で、考え方そのものがまったく別になるわけではありません。ただ、個人事業主のほうが申告書様式との関係で比較的シンプルな科目運用をしやすく、国税庁の収支内訳書でも、特殊な経費がある場合には空欄に経費科目を設けて記入できるとされています。

(出典:国税庁「令和7年分 収支内訳書(一般用)の書き方」/https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tebiki/2025/pdf/034.pdf

つまり、個人事業主でも必要に応じて科目を追加できますが、実務では既存の経費科目で整理したほうが運用しやすい場面も多いということです。

一方、法人では月次管理、部門別損益、原価管理まで見ることが多いため、同じ産業廃棄物処理費でも、支払手数料で見るのか、外注費で見るのか、売上原価に入れるのかで経営判断に差が出ます。法人ほど、社内ルールとして明文化する意味が大きくなります。

社内ルールや仕訳の精度

最後に大切なのが、社内ルールと求める管理精度です。申告上大きな支障がない範囲で簡便に処理したい会社なら、支払手数料や雑費を中心にしても運用できます。一方で、案件別原価、店舗別コスト、廃棄ロス削減まで見たい会社では、補助科目や原価科目を使い分けたほうが役立ちます

特に産業廃棄物は、処理委託契約、マニフェスト、固定資産除却、棚卸資産廃棄など、会計以外の情報ともつながりやすい費用です。そのため、証憑の保存先、誰が起票するか、固定資産台帳や在庫台帳とどう連動させるかまで含めてルール化しておくと、後から説明しやすくなります。会計処理の正確さだけでなく、社内で再現できる運用かどうかまで見て決めることが、実務では重要です。

まとめ

産業廃棄物処理費の勘定科目には、法令で決められた唯一の正解があるわけではありません。中小会計要領や国税庁資料からも分かるように、勘定科目は企業や事業の実態に応じて設定でき、必要に応じて加除・集約も可能です。

実務でよく使われるのは、支払手数料、外注費、売上原価、衛生費、修繕費、雑費です。どれを選ぶかは、単発か継続か、原価性があるか、衛生管理の一部か、固定資産や在庫の廃棄を伴うかで変わります。特に、オフィス備品の廃棄なら固定資産除却損、在庫処分なら商品廃棄損や支払手数料、建設現場の廃材なら売上原価といったように、処理対象そのものの性質もあわせて考えることが大切です。

また、会計処理の前提として、事業系一般廃棄物と産業廃棄物の区分を誤らないことも欠かせません。区分が変われば、処理委託の実務や証憑の意味も変わるためです。新関西テクニカは、産業廃棄物の収集運搬だけでなく処分業許可も持ち、一貫対応が可能です。事業ごみや産業廃棄物の処理体制を見直す際は、会計処理のルール整備とあわせて、実務フローまで整理しておくと進めやすくなるでしょう。

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