事業で使った木パレットを処分するときは、一般ごみとして捨てるのではなく、産業廃棄物の「木くず」として適正に処理する必要があります。処分方法には、産廃業者への委託や処理施設への持ち込みのほか、返却・売却・リサイクルなどがあり、状態や排出量によって適した方法は異なります。
当記事では、それぞれのメリット・デメリットや費用の目安、産廃業者の選び方、委託契約からマニフェスト管理までの流れ、一時保管時のルールを解説します。
事業で使った木パレットは産業廃棄物になる
貨物の荷役・輸送・保管に使用した木製パレットを事業活動に伴って廃棄する場合は、一般廃棄物ではなく、産業廃棄物の「木くず」として処理します。木くずは排出業種によって一般廃棄物となる場合もありますが、貨物の流通に使用したパレットについては業種による限定がなく、製造業や小売業、物流業など、どの業種から排出されたものでも産業廃棄物に該当します。
そのため、事業所の一般ごみと一緒に排出するのではなく、排出事業者の責任で適正に処理しなければなりません。自社で処理できない場合は、木くずを取り扱える許可を持つ産業廃棄物処理業者へ委託する方法があります。なお、有価物として売買されるなど、廃棄物に該当しない木製パレットは、この扱いとは異なります。
(出典:環境省「廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令の一部を改正する政令の施行について」)
木パレットの処分・廃棄方法|それぞれのメリットとデメリット
木製パレットの処分・廃棄方法には、大きく分けて5つあります。それぞれ費用や手間、再利用のしやすさが異なるため、状態や排出量に合った方法を選びましょう。
許可を持つ産業廃棄物処理業者に処理を委託する
木パレットをまとめて処分する場合は、木くずを扱える許可を持つ産業廃棄物処理業者への委託が適しています。依頼時には、枚数やサイズ、破損・汚れの程度、保管場所を伝えて見積もりを取り、収集運搬と処分の許可範囲が依頼内容に合っているか確認しましょう。排出量が多いと、大型車両や追加作業員の手配で料金が変わることもあります。
継続して排出する場合は、回収頻度や定期回収の可否、搬出作業の範囲、追加費用の条件まで比較しておくと、依頼後の運用を組み立てやすくなります。また、料金だけで業者を決めるのではなく、許可内容や処理方法も比較しておきましょう。搬出まで依頼できるか、自社でどこまで準備が必要かも確認しておけば、当日の作業負担を見積もりやすくなります。
自社で産業廃棄物処理施設へ持ち込む
処理施設まで運べる車両と人員がある場合は、自社で木パレットを持ち込む方法もあります。自社が排出した産業廃棄物を自ら運搬する場合、産業廃棄物収集運搬業の許可は不要です。ただし、木くずを受け入れていない施設もあるため、予約の要否や搬入時間、荷下ろし方法、1回に搬入できる量を事前に確認しましょう。
木パレットはかさばるため、積載量や運搬時の固定方法にも注意が必要です。施設までの距離が長ければ燃料費や人件費も増えるため、処分単価だけでなく、自社対応にかかる時間と費用まで含めて委託時の総額と比較することが大切です。特に枚数が多い場合は、1回で運べる量によって搬入回数が増えます。車両の確保や作業員の拘束時間も含めて計算し、委託した場合より本当に安くなるかを判断しましょう。
納品元や取引先に返却して再利用してもらう
納品時に使われた木パレットは、廃棄する前に納品元や取引先へ返却できないか確認しましょう。継続取引で同じ規格のパレットを使っている企業では、回収や返却のルールが決められている場合があります。定期便があるなら、次回納品時にまとめて回収できるか相談する方法もあります。
ただし、破損や汚れがあるもの、規格が合わないもの、社名やロゴが入ったものなどは返却対象外となることがあります。回収費が必要な場合や指定場所への持ち込みを求められる場合もあるため、返却条件、回収方法、費用の有無を事前に確認しておきましょう。回収まで時間が空く場合は保管スペースも必要です。回収時期まで取引先と調整しておくと、保管負担を抑えやすくなります。
再利用できる木パレットは買取業者へ売却する
状態の良い木パレットは、廃棄する前に中古パレットの買取業者へ査定を依頼できます。規格やサイズがそろい、腐食や大きな汚れがなく、再利用できる強度が残っているものは買取対象になりやすい傾向があります。査定時には、サイズ、枚数、破損の有無、社名やロゴの有無を伝え、写真も添えると判断してもらいやすくなります。出張回収を依頼する場合は、対応地域や最低枚数も確認しましょう。
割れや腐食、釘の飛び出し、強い汚れなどがあるものは対象外になることもあるため、売却できない場合の処分方法も用意しておくとスムーズです。少量では回収対象外となる業者もあるため、出張回収の可否や最低枚数も確認が必要です。査定額だけでなく、回収費も含めて処分時の費用と比べましょう。
メーカーやリサイクル業者に回収を依頼する
木パレットの製造メーカーやリサイクル業者へ、再利用や資源化を前提に回収を依頼する方法もあります。状態の良いものや同じ規格がまとまっている場合は、無料回収や有償買取の対象になることがあります。再利用が難しいパレットでも、木材チップなどの原料として資源化できる場合があります。問い合わせ時には、枚数やサイズ、破損・汚れの程度、保管場所を伝え、対象になるか確認しましょう。
最低枚数や回収エリアの指定、工場への持ち込み、フォークリフトでの積み込みを求められることもあるため、自社側で必要な作業まで確認することが重要です。破損の程度や規格で回収可否が変わります。処分費だけでなく、引き渡し条件や積み込み方法も確認しましょう。
木パレットの処分にかかる費用の目安
木パレットを産業廃棄物として処分する場合、費用は量や比重、運搬の有無によって変わります。新関西テクニカの料金表では、木パレットに該当する「木くず(廃材)」の持ち込み処分料金は7,000円~/m³です。比重が200kg/m³以上の場合は、35円~/kgで計算されます。
表の金額は持ち込み時の処分料金で、税抜の目安です。たとえば、かさの割に重量がある木パレットをまとめて搬入すると、m³単価ではなくkg単価が適用される場合があります。また、数量によって処分料金が変動することもあるため、枚数だけで費用を判断せず、サイズや重量、状態まで伝えて見積もりを取ると安心です。
自社で持ち込まず収集運搬も依頼する場合は、処分料金とは別に運賃がかかります。新関西テクニカでは、宇治市・城陽市・久御山町が8,000円~/台、枚方市・高槻市・寝屋川市などが11,000円~/台など、地域ごとに目安が設定されています。実際の運賃は目的地までの距離や高速道路の利用によって変わるため、処分費と収集運搬費を合わせた総額で比較しましょう。なお、料金表の品目・処分費は一例で、記載のない条件は個別確認となります。定期回収では、1回あたりの量や回収頻度も伝えて見積もりを取りましょう。
料金表 | 産業廃棄物の収集運搬・リサイクル 大阪・京都・奈良 新関西テクニカ
木パレットを産廃として処理するときの業者の選び方
木パレットを産業廃棄物として委託処理する際は、許可や処理能力、処理方法などの確認が必要です。ここでは、排出事業者が業者選びで見るべきポイントを5つ解説します。
(出典:環境省「排出事業者責任に基づく措置に係るチェックリスト」)
「木くず」を扱える収集運搬業・処分業の許可があるか
委託先を選ぶときは、許可証に「木くず」が含まれているかを確認します。産業廃棄物の運搬を任せる場合は収集運搬業、処分や再生まで任せる場合は処分業の許可が必要で、いずれも委託する内容が事業範囲に含まれていなければなりません。許可証の写しでは、取り扱える産業廃棄物の種類だけでなく、収集運搬の許可区域や処分方法、許可期限も見ておきましょう。
木パレットは産業廃棄物の「木くず」に該当するため、単に産廃の許可を持っているというだけでは不十分です。積替えや保管を伴う場合は、その場所や扱える廃棄物の種類も契約内容と照合します。収集運搬と処分を別々の会社へ依頼する場合は、それぞれの業者について必要な許可がそろっているかを確かめてから契約します。
排出する木パレットの量を継続して処理できるか
大量の木パレットを定期的に排出する事業者は、料金だけでなく、委託先の処理能力まで見ておく必要があります。産業廃棄物の委託契約では、処分または再生を行う施設の処理能力などを記載することとされており、排出事業者も自社から出る数量を無理なく受け入れられるか確認できます。月ごとの排出量や一度に回収してほしい枚数、回収頻度を伝え、保管場所に木パレットが滞留しない体制を組めるか相談しましょう。
受入量に余裕がなければ、回収間隔が延びて自社の保管量が増える可能性もあります。繁忙期などに排出量が増える事業では、一時的な増量への対応も確認しておくと、回収計画を組みやすくなります。処理能力と実際の処理工程を照らし合わせ、継続的に適正処理できる業者を選びます。
木パレットをどのような方法で処理・リサイクルするか
処分後の木パレットがどこへ行くのかも、業者選びの判断材料になります。委託契約では、処分または再生の場所や方法、施設の処理能力などを明らかにする必要があるため、見積もりの段階で処理方法まで尋ねておきましょう。木パレットは、状態によってリユースできるほか、産業廃棄物として処理する場合には、粉砕して木材チップに加工し、燃料などに活用される方法があります。
再使用できるものと破砕するものを選別しているかも確認すると、資源化の考え方が分かります。単に「リサイクルする」と説明を受けるだけでなく、破砕後に何へ再生されるのか、再資源化できない部分はどのように処分されるのかまで確認し、自社の環境方針に合う業者を選びましょう。
実際の木くずの保管状況や処理工程は適切なものか
許可証やホームページの情報だけでは、実際の処理状況までは分かりません。委託先を選定する際は、木くずが適切に保管されているか、受け入れた木パレットが契約通りの工程で処理されているかを確認します。排出事業者には、処理業者の処理能力や処理工程に照らして適正処理が確保できるかを見極めることが求められており、処理施設の実地確認もその方法の1つです。
現地へ行くほか、公開情報やオンライン会議などのデジタル技術を使った確認も認められています。木くずの保管量や保管場所の管理状態、施設の稼働状況などを見て、不明点は処理業者に質問します。外観を見るだけの形式的な確認で終わらせず、実際の保管・処理状況を把握できる業者を選びましょう。
優良産廃処理業者認定を受けているか
委託先を絞り込む際は、優良産廃処理業者認定の有無も判断材料になります。この制度は、通常の産業廃棄物処理業の許可基準より厳しい基準に適合した処理業者を、都道府県等が審査して認定するものです。認定業者には、遵法性や事業の透明性が高く、財務内容が安定しているなどの特徴があります。委託先の選定では、優良産業廃棄物処理業者であるかどうかを考慮することも、排出事業者責任を果たす上での判断材料になります。
認定の有無や公開情報は、複数の候補を比較するときにも利用できます。ただし、認定だけで委託先を決めず、「木くず」を扱える許可や処理能力、処理方法、料金なども確認し、自社の木パレットを適正に処理できるかを総合的に判断しましょう。
木パレットの処理を産廃業者に委託する流れ
木パレットの処理を産廃業者に委託する際は、契約から引き渡し、処分完了の確認まで適切な手続きが必要です。ここでは、委託処理の基本的な流れを3つの手順に分けて解説します。
収集運搬業者・処分業者と書面で委託契約を結ぶ
木パレットの処理を委託する前に、排出事業者は収集運搬業者・処分業者と書面で委託契約を結びます。収集運搬と処分を別の業者へ依頼する場合は、それぞれと二者契約を締結するのが原則です。収集運搬と処分の両方の許可を持つ同一業者へ一括して委託する場合は、必要事項を盛り込んだ1通の契約書でも対応できます。
契約書には、木パレットの種類・数量、運搬先、処分または再生の場所・方法・施設の処理能力、契約期間、料金などの法定事項を記載します。委託先の許可証の写しなども添付し、木くずが許可品目に含まれているか確認しましょう。契約内容と許可範囲が一致していることも重要です。契約書と添付書類は、契約終了の日から5年間保存する必要があります。
(出典:千葉県「産業廃棄物処理委託契約について」)
(出典:環境省「排出事業者責任に基づく措置に係るチェックリスト」)
木パレットを引き渡す際にマニフェストを交付する
委託契約を結んだ後、木パレットを処理業者へ実際に引き渡す際には、マニフェストを使用します。紙マニフェストの場合は、引き渡しと同時に、産業廃棄物の種類ごと、運搬先ごとに交付する必要があります。木パレットの種類・数量、排出事業場、収集運搬業者・処分業者、運搬先などの必要事項を記載し、実際の引き渡し内容と相違がないか確認しましょう。
紙マニフェストを交付した排出事業者は、その写しを交付日から5年間保存します。電子マニフェストを利用する場合は紙を交付するのではなく、必要事項を情報処理センターへ登録します。登録は速やかに行い、遅くとも木パレットを引き渡した日から3日以内に済ませる必要があります。引き渡しのたびに適切に管理しましょう。
(出典:環境省「排出事業者責任に基づく措置に係るチェックリスト」)
マニフェストで運搬・処分が完了したことを確認する
木パレットを引き渡した後は、マニフェストを使って運搬・処分が契約通り完了したか確認します。紙マニフェストでは、収集運搬業者や処分業者から送られてくる写しを確認し、運搬終了日や処分終了日などの記載に不審な点がないか確かめます。通常の産業廃棄物では、運搬や中間処理の終了に関する写しは交付日から90日以内、最終処分の終了に関する写しは180日以内に送付を受ける必要があります。
期限内にマニフェストの写しが届かない場合や、記載内容に不審な点がある場合は、そのままにせず処理状況を確認し、必要な措置を講じます。受け取った紙マニフェストの写しは5年間保存します。電子マニフェストの場合も、通知された運搬・処分・最終処分の終了状況を確認しましょう。
(出典:環境省「排出事業者責任に基づく措置に係るチェックリスト」)
産廃として処分する木パレットを一時保管するときのルール
産廃として処分する木パレットを一時保管するときは、囲いや掲示板の設置、積み上げ高さ、飛散・害虫対策などの基準を守る必要があります。ここでは、保管時に確認したいルールを解説します。
(出典:大阪府「産業廃棄物の処理基準(FAQ)」)
産業廃棄物の保管場所のルールとは?看板や囲いの立て方も解説
保管場所の周囲に囲いを設置する
回収まで事業所内に置く場合でも、木パレットを産業廃棄物として保管する場所には周囲に囲いを設けます。自社の敷地内で、処理施設へ運搬されるまで一時的に保管する場合も、産業廃棄物保管基準の対象です。囲いは保管場所の境界が分かるように設け、木パレットを積み上げた際に囲いへ荷重がかかる場合は、その荷重に耐えられる構造にする必要があります。
単に敷地の空いている場所へまとめて置くのではなく、囲いを設けた保管区画として管理しましょう。屋外では最大積み上げ高さの制限も受けます。自社工場の敷地外に確保した保管施設で自社の木パレットを保管する場合も、積替え目的でなければ同じ基準が適用されます。
60cm×60cm以上の掲示板を見やすい場所に設置する
保管場所には、産業廃棄物を保管していることが分かる掲示板を、見やすい場所に設置します。掲示板の大きさは縦60cm以上、横60cm以上です。表示する内容には、産業廃棄物の保管場所である旨、保管する産業廃棄物の種類、保管場所の管理者の氏名または名称と連絡先などが含まれます。屋外で容器を使わずに木パレットを積み上げる場合は、積み上げられる高さの上限も記載します。
回収までの短期間だけ置く場合でも、自社の産業廃棄物を運搬まで保管する場所には保管基準が適用されます。掲示板は保管場所の外から常に確認できる状態にし、表示内容に変更があれば実際の管理状況に合わせて更新します。ほかの産業廃棄物も保管する場合は、掲示内容と実際の保管物が一致しているかも確認しましょう。
屋外で保管する木パレットは積み上げ高さの基準を守る
屋外で木パレットを容器に入れずに保管するときは、崩落や飛散などを防ぐため、最大積み上げ高さを超えないようにします。囲いに接しない状態で積む場合は、囲いの下端の地盤面から上方へ50%の勾配、つまり水平方向2に対して垂直方向1の傾きを超えない高さが基準です。囲いに接して荷重がかかる場合は、囲いから内側2m以内を、荷重に耐えられる囲いの上端より50cm低い高さまでとします。
さらに2mを超える部分では、その地点から上方へ50%の勾配を超えない範囲で積み上げます。保管量に合わせて十分な面積を確保し、パレットを高く積みすぎない配置にしておく必要があります。この高さ制限は、自社で排出した産業廃棄物を処理施設へ運搬するまで保管する場合にも適用されます。
木パレットの飛散や害虫の発生を防止する
木パレットの保管中は、保管場所から産業廃棄物が飛散・流出したり、地下へ浸透したり、悪臭が発生したりしないよう必要な措置を講じます。屋外では風などの影響も受けるため、周囲へ散乱しない状態で保管することが前提です。また、保管場所にねずみが生息したり、蚊やはえなどの害虫が発生したりしないよう管理することも保管基準に含まれます。
汚水が生じるおそれがある場合は、公共用水域や地下水の汚染を防ぐため、排水溝などの設備を設け、底面を不浸透性の材料で覆うなどの対策が必要です。回収までの間も保管場所を放置せず、飛散・流出や害虫などが生じていないか確認できる状態を保ちます。屋外では雨水や風の影響も踏まえ、周辺環境へ影響が出ない状態を維持しましょう。
まとめ
事業で使用した木パレットを廃棄する場合は、産業廃棄物の「木くず」として適正に処理する必要があります。処分方法は、産廃業者への委託だけでなく、自社持ち込み、納品元への返却、買取、リサイクル業者への回収依頼などから選べます。委託する際は、木くずを扱える許可や処理能力、処理方法を確認し、契約書とマニフェストを適切に管理しましょう。回収まで保管する場合も、囲いや掲示板、積み上げ高さなどの保管基準を守る必要があります。排出量や社内の作業負担も踏まえ、自社に合う方法を選ぶことが大切です。
新関西テクニカでは、木パレットを含む産業廃棄物の収集運搬・処分に対応しています。処分費用や回収方法でお困りの場合は、排出量や保管状況に応じたご提案が可能です。木パレットの処分をご検討の際は、お気軽にご相談いただけます。
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