道路の舗装や補修工事で発生するアスファルトの処分は、法律に基づいた適切な方法で行う必要があります。処分を検討する際、多くの方が処分方法や費用の相場、信頼できる業者の選び方に悩むことでしょう。事業活動に伴う工事で生じたアスファルトは産業廃棄物に分類されるため、専門の業者に依頼するのが一般的です。
この記事では、アスファルトの基本的な知識から、適正な処分方法、処分にかかる費用の目安、優良な専門業者を見極めるためのポイントなどを詳しく解説します。
処分する前に確認!アスファルト(アスがら)とは?
道路や駐車場の舗装を撤去して出たアスファルト塊は、産業廃棄物のがれき類にあたり、許可を持つ処理業者へ委託して処分します。アスファルト合材は、砕石・砂・石粉とアスファルトを所定の割合で配合した混合材料で、専門的にはアスファルト混合物と呼ばれます。道路や空港の舗装工事で使われるのは、一般的に加熱アスファルト混合物です。
撤去後の塊は、現場ではアスがら、アスコンがらと呼ばれます。同じ廃材でも、建設リサイクル法では特定建設資材の1つであるアスファルト・コンクリート、廃棄物処理法では産業廃棄物のがれき類と、場面によって呼び名が変わります。搬出先や手続きを間違えないために、素材としての違いと法令上の分類を先に押さえておきましょう。
(出典:一般社団法人日本アスファルト合材協会「アスファルト合材とは」)
アスファルトとコンクリートの違い
アスファルトとコンクリートで違うのは、骨材を固める結合材です。アスファルトは石油由来のアスファルトで砕石や砂を結び、コンクリートはセメントと水の反応で骨材を固めます。この違いが色や硬化の仕組みに表れ、撤去後の分別のしやすさにもつながります。
現場で見分けるときは色が手がかりになります。黒い塊はアスファルトがら、灰白色の塊はコンクリートがらです。ただし、舗装の下に敷いた路盤材やコンクリート製の側溝が同時に出る工事も多く、混ざったまま積み込むと搬出先で品目の判断がつきません。撤去の段階で山を分けておくと、後の積み替えが不要になります。
アスファルトは産業廃棄物の「がれき類」に分類される
アスファルトがらは、廃棄物処理法施行令第2条第9号の産業廃棄物にあたります。環境省の建設廃棄物処理指針は、がれき類を「工作物の新築、改築又は除去に伴って生じたコンクリートの破片その他これに類する不要物」と説明しています。
木製品やガラス製品、プラスチック製品の廃材は、この区分に含まれません。舗装の撤去で出た塊はがれき類の範囲に入るため、収集運搬や処分を任せられる相手は、がれき類を事業の範囲に含む許可業者に限られます。
(出典:e-Gov法令検索「廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令」第2条第9号)
(出典:環境省「建設工事から生ずる廃棄物の適正処理について(通知)」)
アスファルトの正しい処分方法は産業廃棄物処理業者への依頼
事業活動に伴う工事などで発生したアスファルトは産業廃棄物の「がれき類」に該当するため、その処分は法律に則って適正に行わなければなりません。一般的な処分方法の1つは、都道府県から「産業廃棄物収集運搬業」や「産業廃棄物処分業」の許可を得た専門業者に依頼することです。
産廃処理を業者に委託する際には、排出事業者の責任として、マニフェスト(産業廃棄物管理票)の交付が義務付けられています。マニフェストは、廃棄物が収集運搬から最終処分まで適正に処理されたことを証明する重要な書類であり、不法投棄を防ぐ役割を担っています。
収集運搬から処分まで許可業者に委託する方法
自社で運搬車両を確保できない現場では、収集運搬から処分までを許可業者へ一括で委託する形が基本になります。廃棄物処理法第14条にもとづき、廃材を運ぶ工程には産業廃棄物収集運搬業の許可、破砕などの処分には産業廃棄物処分業の許可が必要です。一括で任せるなら、どちらの許可も持ち、事業の範囲にがれき類が含まれる会社が候補になります。
排出事業者側が用意するものは3つです。
運搬と処分を同じ会社へ任せると、受入可否と搬入時間の調整を業者側で進められ、現場の担当者は数量と日程を伝えるだけで済みます。
(出典:e-Gov法令検索「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」第14条)
(出典:大阪府「マニフェスト制度のページ」)
中間処理施設へ直接持ち込む方法
自社のダンプで中間処理施設へ運び込み、処分だけを依頼する方法もあります。収集運搬を委託しない分、支払うのは処分費だけです。持ち込みには、受け入れ側の手順を満たす必要があります。搬入前の連絡と予約、事前の契約締結、施設に着いてからの計量の3つを満たすようにしましょう。
がれき類は体積の割に重く、荷台に余裕があるように見えても最大積載量に届きます。往復の回数と拘束時間を試算し、収集運搬費と比べた上で決めましょう。
無許可業者への依頼や不法投棄は絶対にNG!
アスファルトの処分を無許可の業者に依頼したり、自ら不法投棄したりする行為は、廃棄物処理法によって厳しく禁じられています。アスファルトは産業廃棄物であり、その処理責任は排出した事業者自身にあります。万が一、委託した業者が不法投棄を行った場合、不適正処理の状況によっては依頼した排出事業者も措置命令など罰則の対象となる可能性があります。
不法投棄や無許可営業など一定の重大な廃棄物処理法の違反には、5年以下の拘禁刑もしくは1,000万円以下の罰金、またはその両方が科されることもあります。企業の信頼を著しく損なう事態につながるので、必ず許可を持つ正規の業者に適正な処理を委託しなくてはなりません。
アスファルトを処分するまでの流れと必要な手続き
処分業者を決めてから廃材を出し終えるまでの工程は、契約・搬出・書類の3段階に分かれます。契約の段階では見積りと委託契約書、搬出の段階では配車とマニフェストの交付、書類の段階では返送された伝票の確認と保存が必要です。工事の規模によっては、着手前に建設リサイクル法の届出も加わります。
ここでは、それぞれの段階で何をすればよいか順に説明します。
委託契約の締結から搬出までの手順
最初に業者へ伝えるのは、廃材の種類と数量、そして現場の状況です。アスファルトがら単体か、コンクリートがらや土砂が混ざるかで単価が変わり、搬入できる施設も変わります。見積りの精度を上げるために、撤去面積と舗装厚、置き場への進入路の幅、積み込み方法まで整理してから連絡しましょう。
委託契約は書面で結び、収集運搬と処分を別の会社に頼む場合は、それぞれと二者間で締結します。契約書には許可証の写しを添付し、許可されている廃棄物の種類と許可の有効期限を確認しましょう。ここまで整えてから配車日を決めると、搬出当日に受け入れを断られる事態を防げます。
マニフェスト(産業廃棄物管理票)の交付と保存
マニフェストは、委託した廃棄物が最終処分まで終わったことを、返ってくる伝票で確かめる仕組みです。廃棄物処理法第12条の3にもとづき、排出事業者は廃棄物の引渡しと同時に自ら記載して交付し、運搬と処分の各段階で送られてくる写しを受け取ります。
期限内に返送がない場合は、排出事業者側の対応が必要です。搬出のたびに交付日を控え、返送の有無を台帳で管理しておくと、期限を追いやすくなります。
建設リサイクル法で分別解体と届出が必要になる工事
舗装工事が建設リサイクル法の対象になるかどうかは、請負代金の額で決まります。建築物以外の工作物に関する解体工事や新築工事等は、請負代金が税込500万円以上で対象建設工事となり、分別解体等と再資源化等が義務づけられます。駐車場の打ち替えや道路の切削工事も、金額しだいで対象に入るため注意しましょう。
解体工事は床面積の合計80平方メートル以上、新築または増築の工事は床面積の合計500平方メートル以上、修繕・模様替え等の工事は請負代金1億円以上だと対象となります。アスファルト・コンクリートは、コンクリートや木材と並ぶ特定建設資材にあたります。
対象建設工事に該当すると、工事着手の7日前までに、発注者が都道府県知事へ分別解体等の計画を届け出ます。自社の工事が該当するかは、契約書の請負代金と工事の区分を照らし合わせて判断しましょう。
(出典:環境省「建設リサイクル法の概要」)
処分されたアスファルトがリサイクルされる仕組み
搬出したアスファルトがらの多くは、中間処理を経て道路の材料に戻ります。破砕と選別を受けて再生砕石になる経路と、再生骨材として合材工場でアスファルト混合物に戻る経路があり、どちらも異物が取り除かれた状態であることが前提です。以下で、2つの再資源化の流れと、埋立処分に回るケースを説明します。
破砕・選別を経て再生砕石になる流れ
中間処理施設に入ったアスファルトがらは、計量、異物の除去、破砕、粒度ごとの選別という順で処理されます。鉄筋や木くず、プラスチック片を先に抜き、破砕機で砕いてから、ふるいで大きさをそろえて路盤材用の再生砕石にします。
がれき類の破砕施設は、1日あたりの処理能力が5トンを超えると廃棄物処理法上の産業廃棄物処理施設に該当し、設置に知事の許可が必要です。委託先を選ぶ際は、処分業の許可に加えて、処理施設の許可まで確認しましょう。
現場での分別が再資源化に効くのは、選別工程で取り切れない異物ほど製品の品質を落とすためです。土砂が混ざると粒度がそろわず、木くずが残れば路盤材の規格を満たしません。積み込みの段階で山を分けておくと、受入時の選別の手間が減り、再生砕石として出荷できる割合が上がります。
(出典:e-Gov法令検索「廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令」)
再生アスファルト合材として舗装に戻る流れ
もう1つの経路は、アスファルト合材そのものへの再生です。合材工場には再生骨材製造設備が併設され、機械破砕方式でアスファルトがらを砕いて粒度をそろえ、再生骨材にします。
再生骨材は、新しい骨材やアスファルトと合わせて加熱・混合され、再生加熱アスファルト混合物として出荷されます。はがした舗装が再び同じ道路の舗装材になることもあるため、現場の近くに合材工場があるほど、運搬距離と輸送コストの面で有利です。撤去したアスファルトを分別して出すことは、道路の材料を循環させる工程の入口にあたります。
リサイクルできず埋立処分になるケース
分別・選別しても再資源化できないアスファルトがらは、最終的に埋立処分となる場合があります。がれき類は安定型産業廃棄物にあたり、安定型最終処分場で埋め立てできる区分です。ただし環境省の建設廃棄物処理指針は、安定型最終処分場の環境汚染を防ぐため、安定型産業廃棄物にそれ以外の廃棄物が付着混入しないよう分別を徹底することを求めています。
埋立処分は、再生砕石として売れる資源を処分場の容量に置き換える選択です。処分費が上がるうえに、最終処分場の残余容量も減ります。現場で分別する手間と、埋立に回ったときの費用を比べると、搬出前の分別に手をかけたほうが有利になります。
(出典:環境省「建設工事等から生ずる廃棄物の適正処理について(建設廃棄物処理指針)」)
アスファルトの処分にかかる費用の相場
アスファルトの処分費用は、その量、地域、依頼する業者によって変動します。一般的な費用の相場は、1立方メートルあたり数千円から、あるいは1トンあたり数千円程度が目安です。この費用には、アスファルトがらを収集して運搬するための「収集運搬費」と、中間処理施設や最終処分場で処理するための「処分費」が含まれます。
地域によって処理施設の数や距離が異なるため、特に運搬費が変動しやすい傾向にあります。
正確な費用を知るためには、複数の業者から見積もりを取り、内訳を比較検討することが不可欠です。
処分費用の料金目安と内訳
アスファルトの処分費用の料金体系は、主に体積(m3)または重量(t)を基準に設定されます。
内訳は、アスファルトがらが発生した現場から処理施設まで運ぶための「収集運搬費」と、破砕やリサイクル、最終処分を行う「処分費」の2つで構成されるのが一般的です。収集運搬費は、使用する車両の大きさや現場から処理施設までの距離によって変動します。
処分費の単価は、1tあたり3,000円〜7,000円程度が目安ですが、地域や業者によって異なります。体積(m3)で料金を提示された場合は、アスファルトの比重を用いて重量に換算し、料金の妥当性を判断する必要があります。
処分費用をできるだけ抑えるための3つのポイント
アスファルトの処分費用は、廃材の状態と運搬方法、依頼する業者によって変わります。この3つは、排出事業者側で調整できる項目です。ほかの廃棄物と混ぜずに分別する、自社の車両で処理施設へ持ち込む、複数の業者から相見積もりを取るという3点が、費用を抑える具体策です。
ここでは、処分費用を抑えるためのポイントと、取り組むときの注意点を説明します。
ほかの廃棄物と混ぜずに分別する
アスファルトがらを単体で出すか、ほかの廃棄物と混ぜて出すかで、適用される単価が変わります。
分別の手間は、撤去の段取りで吸収できます。舗装をはがす工程と、路盤の砕石や側溝を撤去する工程を分け、仮置き場も別にしておきましょう。積み込みのときに山を選ぶだけでも済みます。木くずや養生材のような軽い廃材は風で飛んでがら山に紛れやすいため、囲いのある容器にまとめておくのもおすすめです。
自社で処理施設へ持ち込む
自社の車両で中間処理施設へ運べば、収集運搬費が発生しません。
自社運搬を選ぶときは、守るべき基準があります。排出事業者が自ら産業廃棄物を運ぶ場合、車体の両側面に産業廃棄物の運搬車である旨と会社名を表示し、運搬する産業廃棄物の種類と数量、積載した日、積載した事業場と運搬先の名称・連絡先を記載した書面を車内に備え付けます。文字の大きさにも決まりがあり、運搬車である旨は140ポイント以上、会社名は90ポイント以上の大きさが必要です。
また、処理施設への持ち込みの受け入れ条件も事前に確認しましょう。
(出典:e-Gov法令検索「廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則」)
複数の処分業者から相見積もりを取る
相見積もりでは、単価に加えて費用の区切り方もそろえて比べます。処分費が体積あたりか重量あたりか、収集運搬費が1台あたりか距離加算か、車両費や待機時間が含まれるかで、総額の見え方が変わるためです。
比較する項目は、次の3点にしぼると判断しやすくなります。
体積で示された見積りは、重量に換算し直せば同じ条件で比べられます。2社から3社を目安に取り、最も安い金額だけで決めず、計算根拠を説明できる業者を選びましょう。
失敗しない!優良なアスファルト処分業者の見極め方
アスファルトの処分を安心して任せられる優良業者を見極めるには、いくつかの重要なポイントがあります。
まず、事業を行うために必要な「産業廃棄物収集運搬業許可」を保有しているかを確認することが大前提です。また、料金体系が明確で、見積もりの内訳が詳細に記載されているかも重要です。
信頼できる業者を選ぶことは、不法投棄などのトラブルを未然に防ぎ、法令を遵守した適正な処分につながります。ここでは、処分業者を見極める際にチェックしたいポイントを紹介します。
必要な産業廃棄物処理業の許可があるか確認する
アスファルトの処分を依頼する前に、業者が持つ許可の種類を確かめます。収集運搬を頼む場合は産業廃棄物収集運搬業許可、破砕などの処分を頼む場合は産業廃棄物処分業許可が必要です。運搬から処分まで一括で任せるなら、両方を持つ会社が対象になります。
許可を持たない業者へ委託すると、排出した側も委託基準違反に問われます。無許可で収集運搬や処分を業として行った者への罰則は、5年以下の拘禁刑または1,000万円以下の罰金、あるいはその両方です。収集運搬業の許可は自治体ごとに出されるため、廃材を積む地域と運び込む地域の両方をカバーしているかも確認しましょう。
(出典:e-Gov法令検索「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」)
見積書の内訳や追加料金の条件を確認する
見積書は、総額よりも内訳で読みます。アスファルトの処分では、処分費、収集運搬費、車両費などの諸経費に分かれているか、それぞれの単位が体積か重量かを確認します。単位がそろっていない見積書は、換算し直さないと他社と比較できません。
追加料金が発生する条件も、契約前に文書で押さえます。確認する項目は次の3つです。
・見積り後に数量が増減したときの精算方法
・当日の天候や積載状況で配車台数が変わったときの扱い
・契約時に想定していない品目が出たときの手続き
条件が書面で示されている見積書なら、後から金額が動いたときにも理由をしっかり確認できます。口頭の説明だけで契約を進めず、条件を明記した見積書を受け取りましょう。
過去の処分実績や口コミをチェックする
業者の信頼性を見極める上で、過去の処分実績や第三者からの評判を確認することも重要な判断材料です。
多くの業者は自社のウェブサイトに過去の工事実績や取引事例を掲載しています。特に、道路舗装工事や駐車場の解体工事など、自社の案件と類似した実績が豊富にあるかを確認するとよいでしょう。
また、インターネット上の口コミやレビュー、同業者からの評判も参考になります。実際にその業者を利用した人の意見は、サービスの質や対応の良し悪しを知る上で貴重な情報源です。
ただし、情報はすべてを鵜呑みにするのではなく、あくまで判断材料の1つとして活用することが求められます。
マニフェストを適切に運用できる業者か確認する
マニフェストの運用体制は、返送のスピードと記載の正確さに表れます。委託先に確認するのは次の3点です。
紙のマニフェストでは、B2票とD票が交付の日から90日以内、E票が180日以内に届かなければ、排出事業者が運搬または処分の状況を把握し、知事へ措置内容を報告しなければなりません。返送が滞る委託先を選ぶと、状況の把握と報告の手間はすべて排出事業者側の負担です。
電子マニフェストに対応していれば、伝票の郵送と紙での保管が不要になり、返送の遅れも画面上ですぐに確認できます。
(出典:大阪府「マニフェスト制度のページ」)
過去に行政処分を受けていないか確認する
行政処分の履歴は、許可を出した自治体の公表情報で確認できます。大阪府は、産業廃棄物処理業の許可取消処分を受けた事業者の一覧と、事業停止処分の有無をホームページで公表しています。過去5年間の許可取消処分のうち、無許可営業や委託基準違反といった廃棄物処理法の重大違反によるものは、対象者の名称・住所・違反の概要まで公表の対象です。
確認する順番は、まず許可証で許可を出した自治体を特定し、その自治体の公表ページで社名を照合するという流れです。委託先が複数の自治体で許可を得ている場合は、それぞれの自治体のページを見ます。
行政処分を受けた業者へ委託すると、処分期間中は廃材を出せず、工程が止まります。契約前と、契約更新のタイミングで確認しておきましょう。
優良産廃処理業者認定制度も判断基準の1つ
信頼できる業者を選ぶための客観的な指標として、「優良産廃処理業者認定制度」があります。これは、通常の許可基準よりも厳しい基準をクリアした産業廃棄物処理業者を、都道府県や政令市が認定する制度です。遵法性、事業の透明性、環境配慮の取り組み、電子マニフェストの導入といった項目で評価されます。
この認定を受けている業者は、事業運営において高い信頼性があると判断できます。認定業者の情報は、環境省のウェブサイトや各自治体のホームページで公開されているため、業者選定の際に確認することで、より安心して処分を委託できる業者を見つけやすくなります。
アスファルトがらの処分量を見積もる方法
処分費用を見積もる前に、現場からどれだけの廃材が出るのかを把握します。処分費も収集運搬費も数量が土台になるため、体積と重量の目安を自分で出せると、業者見積りの妥当性を判断できます。計算は、撤去する面積と舗装厚から体積を求め、重量換算係数を使って重量に置き換えるという2段階で行います。
面積と舗装厚からアスファルトの体積を計算する
体積は、撤去する舗装の面積と厚さを掛けて求めます。計算式は、面積(平方メートル)×厚さ(メートル)=体積(立方メートル)です。舗装厚はセンチメートルで示されることが多いため、メートルに直してから計算しましょう。
100平方メートルの舗装を厚さ5センチメートル分撤去する場合、100平方メートル×0.05メートル=5立方メートルとなります。表層と基層をまとめてはがす工事では、切削深さを合計して計算します。表層4センチメートルと基層5センチメートルを同時に撤去するなら、厚さは0.09メートルです。
現場での実測が難しいときは、設計図書の舗装構成図で厚さを確認します。数量を先に押さえておけば、見積書に記載された数量との差にも気づけます。
アスファルトの体積から重量を概算する
撤去するアスファルトの重量を実測できない場合は、8-1で求めた体積に重量換算の参考値を掛けて概算できます。国土交通省の2024年度建設副産物実態調査では、アスファルト・コンクリート塊の「実体積による換算値」として1立方メートル当たり2.35トンが示されています。
たとえば、100平方メートルの舗装を厚さ5センチメートル撤去する場合、体積は5立方メートルです。この場合、5立方メートル×2.35トン=11.75トンとなり、発生するアスファルトがらの重量は約11.75トンと見積もれます。
ただし、換算値はあくまで参考値です。国土交通省も、体積から重量へ換算する際は個々の実態に基づくことを原則とし、実態値がない場合に参考値を使用するよう示しています。実際の処分量や料金は、処理施設で計量した重量などを確認しましょう。
(出典:環境省「2024年 建設副産物実態調査」)
アスファルトを処分するときの注意点
アスファルトがらの搬出条件は、廃材の状態と受入先によって変わります。異物が混ざれば伝票上の品目が変わり、施設ごとに受け入れられる大きさや品目にも違いがあります。搬出前に、異物の混入、処理施設の受入条件、車両の積載量という3点を確かめておきましょう。ここでは、アスファルトを処分する際の注意点を解説します。
土砂や木くずなどの異物を混ぜない
アスファルトがらに土砂や木くず、廃プラスチックが混ざると、がれき類として搬出できなくなります。安定型産業廃棄物にそれ以外の廃棄物が付着混入しないよう、分別の徹底も必要です。許可品目から外れた状態で持ち込めば、受け入れを断られます。
区分が変われば、伝票上の品目も混合廃棄物やミンチ物に変わります。マニフェストの記載と積荷の中身が食い違えば、施設側で積み戻しになりかねません。撤去と積み込みの段階で、路盤の砕石や土砂をがら山から外しておけば、アスファルトがらのまま搬出できます。
処理施設の受入条件を搬出前に確認する
処理施設ごとに、受け入れられる品目と廃材の状態が決まっています。大阪湾広域臨海環境整備センターの受入基準では、がれき類は最大径がおおむね30センチメートル以下のものに限られ、中空のものや有害な物質が付着・含有するものは対象外です。受入区域も、近畿2府4県の169市町村から発生した廃棄物に限定されています。
搬出前には、廃材の種類と量、そして希望する搬入日時でを伝えておきましょう。その上で、受入の可否と料金、破砕の要否を確認してから運搬に移ります。
(出典:大阪湾広域臨海環境整備センター「廃棄物の受入基準」)
過積載にならないよう積載量を確認する
アスファルトがらは体積の割に重いため、荷台に余裕があるように見えても最大積載量を超えます。道路法と車両制限令が定める一般的制限値は、車両総重量20.0トン、軸重10.0トンです。この値を超える車両は、特殊車両通行許可を受けなければ道路を通行できません。
たとえば実体積5立方メートルのアスファルトは、1立方メートル当たり2.35トンの換算値を使うと、概算重量は11.75トンになります。最大積載量4トンのダンプでは1回で運びきれず、少なくとも3回に分けて搬出する必要があります。搬出前に、廃材の概算重量と使用する車両の最大積載量を突き合わせ、必要な台数と搬出回数を決めておきましょう。
(出典:国土交通省関東地方整備局「道路法に基づく車両の制限とは」)
アスファルト処分に関するよくある疑問
アスファルトの処分を検討する中で、様々な疑問が生じることがあります。これらの疑問は、処分を依頼する前に解消しておくことで、業者とのやり取りがスムーズに進み、トラブルを未然に防ぐことにつながります。
ここでは、アスファルト処分に関する一般的な疑問点を取り上げ、それぞれの対処の方法について解説します。
DIYで発生した少量のアスファルトでも処分可能ですか?
個人が自宅でDIYを行って生じたアスファルト片は、事業活動に伴う廃棄物ではないため原則として一般廃棄物として扱われます。家庭DIYで発生したアスファルト片の収集・持ち込みの可否は自治体によって異なるため、居住する市区町村の廃棄物担当窓口に確認しましょう。
なお、施工業者に工事を依頼して発生したものは建設工事由来の産業廃棄物として別扱いです。多くの業者は法人向けの大規模な収集を主としていますが、中には個人からの少量の依頼に対応してくれる業者もあります。自治体に処理方法を確認し、必要に応じて自治体が案内する受入施設や許可業者へ相談しましょう。持ち込みを受け付けている処理場があれば、運搬費用を節約できる場合もあります。
アスファルトとコンクリートは処分・リサイクル方法が違いますか?
搬出前の分別方法と、リサイクル後の用途が違います。分別では、黒いアスファルトがらと灰白色のコンクリートがらを別の山に分けます。同じがれき類でも、破砕後に向かう先が分かれるためです。
リサイクル後の用途を見ると、アスファルトがらは再生骨材となり、再生アスファルト合材として道路の舗装に戻ります。コンクリートがらは破砕と粒度調整を経て再生砕石になり、路盤材や埋め戻し材に使われます。混ざったまま搬出すると、どちらの用途にも回しにくくなる上、処分費も高くなりがちです。
まとめ
アスファルトは産業廃棄物に分類され、その処分は廃棄物処理法に則って適正に行う必要があります。処分方法は、都道府県から許可を得た産業廃棄物処理業者への委託が基本です。費用は収集運搬費と処分費で構成され、地域や業者、量によって変動するため、複数の業者から相見積もりを取ることが重要です。
信頼できる業者を選ぶためには、「産業廃棄物収集運搬業許可」の有無を確認し、過去の実績や評判を参考にします。優良産廃処理業者認定制度も判断基準の1つです。法律を遵守し、信頼できるパートナーを選ぶことが、適切なアスファルト処分に不可欠です。
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