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建設廃棄物とは?建設副産物との違いや種類・処理方法を解説

建設廃棄物は、建設工事に伴って生じた物のうち、廃棄物処理法上の廃棄物にあたるものを指します。処理の責任は原則として元請業者が負うため、分別から最終処分までの流れと手続きを把握しないまま工事を進めると、法令違反につながりかねません。

当記事では、建設副産物との違い、廃棄物の種類、処理方法の5段階、委託時の注意点、建設リサイクル法などのルール、処理料金の目安を整理します。自社が何を確認し、どこまで責任を負うのかを把握するためにぜひお役立てください。

建設廃棄物とは?

建設廃棄物とは、建設工事に伴って生じた物のうち、廃棄物処理法第2条第1項に規定する廃棄物に該当するものを指します。一般廃棄物と産業廃棄物の両方を含む概念で、工事の内容によって発生する品目が変わります。

代表的な品目は、コンクリート塊、アスファルト・コンクリート塊、建設発生木材、建設汚泥、紙くず、金属くず、ガラスくず・コンクリートくず及び陶器くず、これらが混ざった建設混合廃棄物です。解体工事では躯体や内装材が中心となり、新築工事では型枠材や梱包材、端材が多く出ます。

扱いを間違えやすいのが建設発生土です。建設工事から搬出される土砂は廃棄物処理法上の廃棄物に当たらず、建設廃棄物には含まれません。港湾や河川の浚渫に伴って生ずる土砂も同じ扱いです。

一方、掘削工事などで生じる建設汚泥は産業廃棄物に該当するため、土砂と同じ感覚で搬出すると不適正処理になるので注意しましょう。

出典:東京都環境局「建設廃棄物とは?」

建設廃棄物と建設副産物の違い

建設副産物と建設廃棄物の違いは、対象となる範囲の広さです。建設副産物は建設工事に伴い副次的に得られたすべての物品を指し、そのうち廃棄物処理法上の廃棄物に該当するものだけが建設廃棄物になります。

建設副産物には、工事現場外へ搬出される建設発生土や、スクラップのように他人へ有償で売却できる有価物も含まれますが、どちらも廃棄物ではないため建設廃棄物からは外れます。書類上は建設副産物としてまとめて扱っていても、委託契約やマニフェストの手続きが必要になるのは建設廃棄物の部分だけです。

出典:国土交通省「建設副産物の定義」

建設廃棄物の種類

建設現場では、一般廃棄物のほか、がれき類や木くず、廃油など多様な産業廃棄物が発生します。処分時には、安定型・管理型としての扱いや、特別管理産業廃棄物への該当などを確認する必要があります。

ここでは、建設現場で発生しやすい5つの区分を、該当する品目とともに解説します。

一般廃棄物

建設現場で発生する廃棄物のうち、産業廃棄物のどの種類にも当てはまらないものが一般廃棄物です。具体例には、河川堤防や道路の表面などの除草作業で発生する刈草、道路の植樹帯の管理で発生する剪定枝葉が挙げられます。解体工事で出る茅葺き屋根の茅の部分も、産業廃棄物のどの種類にも該当しないため一般廃棄物です。工作物の建設ではなく単なる土地造成のために伐採された木も同じ扱いになります。

一般廃棄物の収集運搬と処分には市町村ごとの許可が必要で、産業廃棄物の許可だけでは委託できません。

出典:大阪府「建設工事から生ずる産業廃棄物のよくあるご質問(FAQ)」

安定型産業廃棄物

安定型産業廃棄物は、埋め立てても性状が変化しにくい次の5品目です。

建設現場でがれき類に当たるのは、工作物の新築や除去に伴って生じたコンクリート破片、アスファルト・コンクリート破片、レンガ破片です。廃プラスチック類には梱包材の発泡スチロールや廃ビニール、廃塩化ビニル管が含まれ、金属くずには鉄骨鉄筋くずや足場パイプが入ります。

廃石膏ボードや鉛製の管、鉛蓄電池の電極は、見た目が近くても安定型から除かれ、管理型として扱われる点に注意が必要です。安定型最終処分場へ埋め立てるには、それ以外の廃棄物が付着したり混入したりしない状態まで分別を徹底しなければなりません。

出典:東京都環境局「建設廃棄物とは?」

管理型産業廃棄物

管理型産業廃棄物は、埋立地からの浸出水を管理する必要がある廃棄物です。建設現場で該当するのは次の7品目です。

木くずには型枠や足場材、内装工事と建具工事の残材、伐根材、木造解体材が入ります。紙くずは包装材や段ボール、壁紙くず、繊維くずは廃ウエスや縄、ロープ類、畳、じゅうたんです。

判断が分かれやすいのは汚泥です。コーン指数がおおむね200kN/m2以下、または一軸圧縮強度がおおむね50kN/m2以下で、標準ダンプトラックに山積みできず上を人が歩けない状態のものが汚泥に当たります。場所打ち杭工法や泥水シールド工法で生じる廃泥水が典型例です。

出典:東京都環境局「建設廃棄物とは?」

特別管理産業廃棄物

特別管理産業廃棄物は、爆発性や毒性、感染性など、人の健康や生活環境に被害を生じるおそれがある性状の産業廃棄物です。建設現場で該当するのは主に次の3つです。

取り扱いには、通常の産業廃棄物より厳しい手続きが加わります。特別管理産業廃棄物が生ずる事業場では、原則として事業場ごとに特別管理産業廃棄物管理責任者を置く必要があります。設置に伴う届出・報告の扱いは自治体によって異なるため、事業場を管轄する自治体のルールも確認しておきましょう。委託先も特別管理産業廃棄物を扱える許可を持っている必要があり、通常の産業廃棄物の許可では委託できません。

マニフェストの返送期限も、通常の産業廃棄物より短く設定されています。解体前の事前調査でアスベストやPCB使用機器が見つかったときは、扱える業者へ早めに相談してください。

出典:東京都環境局「建設廃棄物とは?」

建設混合廃棄物

建設混合廃棄物は、がれき類や廃プラスチック類などの安定型産業廃棄物と、木くずや紙くずなどそれ以外の廃棄物が混在した状態で排出される建設廃棄物です。内装解体や狭小地の工事のように、短時間で多品目が出る現場や集積場所を確保しにくい現場で生じやすくなります。

混合のまま出すと、処理する際の選択肢が狭まります。やむを得ず建設混合廃棄物として排出する場合は、選別設備を有する中間処理施設か管理型最終処分場で処理しなければなりません。埋立処分の搬入先も管理型最終処分場に限られ、安定型最終処分場は使えません。

処分単価も分別品より高くなりやすく、選別の手間が料金に上乗せされます。工程の初めに品目別のコンテナと分別表示板を用意し、分別が難しい品目だけを混合として出す運用にすれば、処分コストを抑えられます。

出典:環境省「建設廃棄物処理指針」

建設廃棄物の処理方法

建設廃棄物の処理は、現場での分別から最終処分までが1つの流れになっています。元請業者は排出事業者として、どの工程を誰が担うのかを工事前に決めておかなければなりません。ここでは、分別と保管、収集運搬、中間処理、再利用、最終処分の5段階に分けて解説します。

現場で廃棄物の種類ごとに分別・保管する

処理の出発点は、現場で廃棄物の種類ごとに分別して保管することです。搬入先の施設は許可を受けた品目しか受け入れられないため、分別の精度がその後の工程を左右します。

排出事業者はあらかじめ分別計画を作成し、下請業者と処理業者へ周知します。計画づくりでは、処理施設の受け入れ条件、工程ごとに変わる発生品目、敷地条件に応じた集積場の設置可否を検討してください。

保管時は廃棄物処理法の保管基準に従い、分別した種類ごとに置き場を分けます。集積場や容器に廃棄物の種類を表示しておけば、作業員の判断による混入を防げます。

収集運搬業者に委託するか自社で処理施設まで運搬する

分別した廃棄物は、収集運搬業者へ委託するか、元請業者が自ら処理施設まで運びます。委託先は、運搬する品目が事業の範囲に含まれた産業廃棄物収集運搬業の許可業者に限られます。

下請業者に運ばせることは原則できません。ただし、一定の要件をすべて満たす場合に限り、許可がなくても下請負人が運搬できます。主な要件は次の通りです。

自社で運ぶ場合も、受け入れ先の営業時間と予約の要否を先に確認してください。

出典:大阪府「建設工事から生ずる産業廃棄物のよくあるご質問(FAQ)」

破砕・焼却・脱水などの中間処理を行う

中間処理は、破砕や焼却、脱水によって廃棄物の状態を変える工程です。目的は次の4つに整理できます。

埋立処分の基準に適合しないものは、必ず中間処理を経なければなりません。中間処理施設は都道府県知事などの許可を受けて設置され、許可の中で扱える廃棄物の種類が限定されています。委託する側は、その許可の範囲に合うように現場で分別しておくことが前提になります。

再生可能な廃棄物は資材として再利用する

再生可能な廃棄物を資材として再利用すれば、処分量と費用の両方を減らせます。再生可能品目に挙げられているのは次の廃棄物です。

再利用の方法は3つあります。有価物として売却するか自ら利用する方法、再生処理を行う業者へ委託する方法、再生利用認定制度や再生利用指定制度を活用する方法です。

ただし、自ら利用と呼べるのは、他人に有償で売却できる性状のものを使う場合だけです。品質が伴わないものを現場に残せば、不適正処理と判断されかねないので注意しましょう。

再利用できない廃棄物は適切な最終処分場で処分する

再利用できない廃棄物は、種類に応じた最終処分場へ搬入します。最終処分場には安定型、管理型、遮断型の3種類があり、受け入れられる廃棄物が型式ごとに決まっています。

判定基準を満たす建設汚泥を除き、建設廃棄物の海洋投入処分は禁止されています。委託先を選ぶときは、搬出する品目を受け入れられる型式の処分場と契約しているかを、処分業者の許可証と委託契約書で確認してください。

出典:環境省「建設廃棄物処理指針」

建設廃棄物を処分するときの注意点

建設廃棄物の処分では、誰が責任を負い、どこまで確認するのかが法律で定められています。委託先任せにしてしまうと、不適正処理が起きたときに責任を問われるのは排出事業者です。

ここでは、責任の所在、委託前の許可確認、契約、マニフェスト、委託後の確認という5つの注意点を解説します。

原則として元請業者が排出事業者として処理責任を負う

建設工事から出た廃棄物の排出事業者は、原則として元請業者です。廃マニフェストの交付と委託契約の締結は、いずれも元請業者が行います。処理料金の支払方法自体は廃棄物処理法で規制されていませんが、収集運搬業者・処分業者へ元請業者から直接支払うことが望ましく、処理費用を工事金額に含めて下請業者へ一括して支払う方法は避ける必要があります。

ただし例外もあり、解体する建物内に残っていた什器や備品、ロッカーなどの残存物は、持ち主である発注者が排出事業者になります。反対に、地中へ埋設されていた廃棄物を工事で掘り出した場合は、元請業者が排出事業者となります。

出典:東京都環境局「建設廃棄物とは?」

委託先が必要な許可を取得しているか確認する

委託先を決める前に、許可証の内容が委託したい処理と一致しているかを確認します。確認すべき項目は次の通りです。

見落としやすいのは、収集運搬で積み込む場所と降ろす場所の双方の許可が要る点です。府県をまたぐ工事では、許可証の記載を1件ずつ突き合わせておきましょう。

収集運搬業者・処分業者とそれぞれ書面で委託契約を締結する

委託契約は、収集運搬業者と処分業者のそれぞれと書面で結びます。1社が両方の許可を持つ場合でも、契約内容には運搬と処分の双方の事項が要ります。契約書に含める主な条項は次の通りです。

別の業者への再委託は原則禁止で、排出事業者が書面で承諾した場合に限って認められます。

委託する場合はマニフェストの交付から処理終了まで確認が必要になる

委託した場合は、マニフェストを交付して最終処分が終わるまで追跡します。1998年12月1日以降、すべての産業廃棄物の委託処理でマニフェストか電子マニフェストの使用が義務です。

マニフェストの返送期限は票ごとに異なり、B2票とD票は交付の日から90日以内、特別管理産業廃棄物の場合は60日以内です。最終処分の終了を確認するE票は、180日以内に返送される必要があります。期限内に写しが届かない場合は、速やかに運搬や処分の状況を把握した上で、その期間が経過した日から30日以内に措置内容等報告書を都道府県知事へ提出します。

返送されたマニフェストは5年間保存します。あわせて、事業場ごとに産業廃棄物管理票交付等状況報告書を作成し、翌年度の6月30日までに提出してください。電子マニフェストで登録した分は提出が不要です。

出典:大阪府「措置内容等報告書について」

出典:公益社団法人全国産業資源循環連合会「マニフェストの管理運用」

委託後も処理施設や処理状況をチェックする

契約とマニフェストがそろっていても、排出事業者の確認義務は終わりません。処分業者については、実地調査や写真などで施設の状況を確認しておく必要があります。

現地では次の3点を確認します。

委託先から、収集運搬や処分を適正に行うことが困難になった、またはそのおそれがあるという通知を受けたときも、30日以内に措置内容等報告書の提出が必要です。通知を受けた時点で搬出先を切り替えられるよう、代替の委託先も確保しておいてください。

建設廃棄物にかかわるリサイクルのルール

建設廃棄物には、廃棄物処理法とは別に、リサイクルを進めるためのルールが重なります。柱になるのは建設リサイクル法と資源有効利用促進法の2つで、対象になれば届出や計画書の作成が必要です。以下では、対象工事の判定から工事完了後の記録保存まで、5つの手順に沿って解説します。

工事が建設リサイクル法の対象か確認する

はじめに確認するのは、その工事が建設リサイクル法の対象建設工事に当たるかどうかです。特定建設資材を用いた建築物などの解体工事、または特定建設資材を使用する新築工事などで、規模が基準以上であれば対象になります。

特定建設資材は、コンクリート、コンクリート及び鉄から成る建設資材、アスファルト・コンクリート、木材の4品目です。規模の基準を満たせば、特定建設資材の発生量にかかわらず対象です。

発注者は着工の7日前までに分別解体等の計画を届け出る

対象建設工事では、発注者が工事着手の7日前までに分別解体等の計画を都道府県知事へ届け出ます。政令市などでは市長が届出先になるため、現場のある自治体の窓口を確認してください。

届出の前段として、元請業者は発注者に対し、建築物などの構造、工事着手の時期、分別解体等の計画を書面で説明します。請負契約の書面に明記するのは、分別解体等の方法、解体工事に要する費用、再資源化等に要する費用、特定建設資材廃棄物を持ち込む予定の施設の名称です。

工事の一部を下請に出す場合は、届け出た事項を下請負人へ告知した上で契約を結びます。届け出た計画が基準に適合しないと認められたときには、変更命令が出されます。

受注者は特定建設資材を分別して再資源化する

受注者は、対象建設工事で特定建設資材を分別し、廃棄物となったものを再資源化しなければなりません。分別解体等は、事前調査、計画の作成、作業場所の確保などの事前措置、計画に沿った施工という順で進める流れです。

建築物の解体では、はじめに建築設備や内装材を取り外し、次に屋根ふき材を取り外します。その上で外装材と構造耐力上主要な部分を取り壊し、最後に基礎と基礎ぐいを取り壊します。建築設備、内装材、屋根ふき材の取り外しは原則として手作業です。

出典:環境省「建設リサイクル法の概要」

元請業者は再生資源の利用・搬出計画を作成する

元請業者は、資源有効利用促進法に基づく再生資源利用計画と再生資源利用促進計画を、着工前に作成します。前者は建設資材を搬入する工事、後者は指定副産物を搬出する工事が対象です。

作成した計画は発注者へ提出して内容を説明し、工事現場の公衆が見やすい場所に掲示します。搬出土砂の基準は省令改正で1,000立方メートル以上から500立方メートル以上へ引き下げられているため、以前の感覚のまま対象外と判断すると義務違反になります。

出典:姫路市「再生資源利用〔促進〕計画書・実施書」

元請業者は工事完了後に計画の実施状況を記録・保存する

工事が完了したら、計画の実施状況を実施書としてまとめ、記録を保存します。再生資源利用計画と再生資源利用促進計画の計画書、実施書、確認結果票、受領書の保存期間は、工事完成日から5年を経過する日までです。

500立方メートル以上の建設発生土を搬出した場合は、搬出先の管理者へ受領書の交付を求めます。受領書に記載された搬出先の名称と所在地が、計画に記載した搬出先と一致するかを確認するところまでが手順です。

建設リサイクル法の対象建設工事では、再資源化等が完了した時点で、元請業者が発注者へ書面で報告し、あわせて実施状況に関する記録を作成し保存します。

出典:高知県「【お知らせ】再生資源利用(促進)計画書及び実施書の取扱いについて」

建設廃棄物の処理料金の目安

建設廃棄物の処理料金は、品目と形状、分別の状況によって単価が変わります。同じ体積でも、混ざった状態で出すか品目ごとに分けて出すかで金額が変わるため、見積りは品目別に確認してください。

見積りを取るときは、持ち込みか収集運搬か、税抜か税込か、料金表に記載のない品目が現場から出る可能性はないかを合わせて確認しておくと、後からの追加請求を避けられます。品目が判別しにくい廃棄物が出たときは、自己判断で混合として出す前に処理業者へ品目を確認してください。タイヤやタタミ、金庫のように、混入すると別途請求になる品目もある点にも注意が必要です。

まとめ

建設廃棄物は、建設副産物のうち廃棄物処理法上の廃棄物に該当する部分を指します。現場での分別から収集運搬、中間処理、再生利用、最終処分までを、原則として元請業者が排出事業者として管理します。委託するときは、許可の確認、収集運搬業者と処分業者それぞれとの書面契約、マニフェストによる追跡が欠かせません。

新関西テクニカでは、収集運搬業と処分業の両方の許可を持ち、建設現場から出るコンクリートがらや石膏ボード、混合物の収集運搬から処分、リサイクルまで一貫して承っております。電子マニフェストと電子契約にも対応しております。ぜひご相談ください。

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