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一般廃棄物と産業廃棄物の違いとは?比較表・具体例・間違えやすいごみを解説

分別している風景

目次

  1. 一般廃棄物と産業廃棄物の違い
    1. ひと目でわかる比較表(産業廃棄物と事業系一般廃棄物)
    2. 管轄行政区分の違い
    3. 保管基準の違い
    4. 処分できる施設の違い
    5. 収集運搬・処分で求められる許可区分の違い
  2. 産業廃棄物の種類と具体例
    1. 特別管理産業廃棄物の種類と具体例
  3. 一般廃棄物の種類と具体例
    1. 事業系一般廃棄物
    2. 家庭廃棄物
    3. 特別管理一般廃棄物
    4. 新関西テクニカの事業系一般廃棄物の回収
  4. 一般廃棄物と産業廃棄物の分類を間違えやすいごみの例
    1. 木くず・紙くず
    2. 天然繊維と合成繊維の混紡
    3. 飲食店や事務所で出た生ごみ
    4. プラスチックでできた梱包材や包装材
    5. 弁当やカップ麺の空き容器
    6. 動物園やペットショップなど畜産業以外で発生した動物の糞尿
    7. 輸入後に廃棄された食品
  5. 社内で正しく分別するためのポイント
    1. 発生場所ごとに「品目と出し先の一覧表」をつくる
    2. 保管容器を区分ごとに分け、表示する
    3. 迷ったものは自己判断せずに確認する
    4. 京都で事業所のごみを出す場合
  6. 一般廃棄物と産業廃棄物を間違えた場合の罰則
  7. 産業廃棄物の正しい処理方法
    1. 許認可を確認した上で委託先を定める
    2. 産業廃棄物の種類ごとに委託契約を取り交わす
    3. マニフェストを利用して管理する
  8. 一般廃棄物と産業廃棄物についてよくある質問
    1. 会社から出たごみは、すべて産業廃棄物ですか?
    2. 事業系一般廃棄物にもマニフェストは必要ですか?
    3. 一般廃棄物と産業廃棄物を同じ業者に任せられますか?
    4. 同じ弁当ごみでも区分が分かれるのはなぜですか?
  9. まとめ

一般廃棄物と産業廃棄物の違い

まず押さえたいのは、廃棄物処理法では、不要物のうち法の対象となるものを「廃棄物」とし、その中を大きく「産業廃棄物」と「一般廃棄物」に分けていることです。東京都環境局では、事業活動で生じたもののうち政令で定める20種類を産業廃棄物、それ以外を一般廃棄物として整理しています。

一般廃棄物はさらに、事業活動から出る「事業系一般廃棄物」と、家庭から出る「家庭廃棄物」に分かれ、さらに有害性などが高いものは特別管理一般廃棄物・特別管理産業廃棄物として別枠で扱われます。

つまり、「事業所から出たごみだから全部産業廃棄物」というわけではなく、何が出たか、どの業種から出たか、どんな性状かで判断が分かれます。

廃棄物廃棄物処理法の対象である不要物
 産業廃棄物事業活動で発生したもののうち、法令で定める20種類
特別管理産業廃棄物産業廃棄物のうち、特に指定された有害なもの
一般廃棄物産業廃棄物以外のもの
事業系一般廃棄物事業活動で発生した、産業廃棄物以外のもの
家庭廃棄物一般家庭の日常生活から発生したもの
特別管理一般廃棄物一般廃棄物のうち、特に指定された有害なもの

(引用:東京都環境局「産業廃棄物の種類」/https://www.kankyo.metro.tokyo.lg.jp/resource/industrial_waste/about_industrial/about_01 引用日2026/3/23)

ひと目でわかる比較表(産業廃棄物と事業系一般廃棄物)

事業所から出るごみで迷いやすいのは、「産業廃棄物」と「事業系一般廃棄物」の線引きです。主な違いを表にまとめると、次のとおりです。

項目産業廃棄物事業系一般廃棄物
定義事業活動に伴って生じた廃棄物のうち、法令で定める20種類事業活動に伴って生じた廃棄物のうち、産業廃棄物に当たらないもの
処理の責任排出事業者(自ら処理するか、許可業者へ委託)排出事業者(市町村のルールに従って処理)
許可・監督する行政都道府県・政令市市町村
委託できる業者産業廃棄物収集運搬業・処分業の許可業者市町村の許可を受けた一般廃棄物収集運搬業者
マニフェスト交付が必要不要
主な例廃プラスチック類、金属くず、がれき類、汚泥、廃油事務所の紙ごみ、飲食店の残飯、割り箸

同じ会社から出たごみでも、品目ごとに上の左右どちらに当たるかを分けて考えるのが基本です。以下で、違いを1つずつ確認していきます。

管轄行政区分の違い

一般廃棄物と産業廃棄物では、主に関わる行政の考え方が異なります。

一般廃棄物は市町村が統括的な処理責任を持つのに対し、産業廃棄物は排出事業者責任が前提で、都道府県や政令市が許可や監督に関わります。

事業活動から出るごみでも、産業廃棄物に当たらないものは「事業系一般廃棄物」として、市町村のルールや許可業者の仕組みに従って処理することになります。一方、産業廃棄物は排出事業者が自ら適正処理するか、許可を持つ処理業者へ委託しなければなりません。誰が責任主体になるかが違うため、契約や管理の考え方も大きく変わります。

保管基準の違い

産業廃棄物は、排出事業者が自社で保管する段階から保管基準を守る必要があります。飛散や流出、悪臭、害虫の発生を防ぐ措置のほか、屋外保管での積み上げ高さ、掲示、特別管理産業廃棄物であればさらに厳しい区分管理などが求められます。特に特別管理産業廃棄物は、通常の産業廃棄物より厳しい基準が適用されます。

一般廃棄物も当然ながら適切に扱う必要はありますが、事業者が日常的に法令上の「産業廃棄物の保管基準」を意識すべきなのは、主に産業廃棄物のほうです。現場で一時保管する場合は、「置いてあるだけ」では済まない点を押さえておく必要があります。たとえば、雨ざらしの状態で保管すると汚水の流出や性状の変化につながるおそれがあり、ほかの廃棄物と混在すれば後工程での処理や分別にも支障が出やすくなります。

処分できる施設の違い

一般廃棄物と産業廃棄物は、処分できる施設も異なります。一般廃棄物は市町村の処理施設や、市町村から許可を受けた一般廃棄物処理業者が扱うのが基本です。これに対し、産業廃棄物は産業廃棄物処理施設や、産業廃棄物処分業の許可を持つ事業者が処理します。

たとえば、オフィスから出る残飯は事業系一般廃棄物ですが、同じオフィスから出るプラスチック製の弁当容器は産業廃棄物として扱われることがあり、持ち込む先も変わります。分類を誤ると、そもそも受け入れ不可となるため、排出前の確認が欠かせません。

収集運搬・処分で求められる許可区分の違い

産業廃棄物の収集運搬や処分を委託する場合は、委託先が対象となる廃棄物の種類と区域について必要な許可を持っているかを確認しなければなりません。収集運搬と処分は別許可で、さらに特別管理産業廃棄物なら特別管理用の許可が必要です。

一般廃棄物も無許可でよいわけではありませんが、必要となる許可体系が異なります。ここを曖昧にしたまま委託先を選ぶと、委託基準違反のリスクが生じます。産業廃棄物は「何を」「どこで」「誰が」扱えるかまで確認してはじめて適正処理といえます。

産業廃棄物の種類と具体例

産業廃棄物は、法令で定められた20種類に限って産業廃棄物として扱われます。ここで重要なのは、見た目ではなく法令上の種類に当てはまるかどうかで判断する点です。

代表例を一覧で整理すると、次のとおりです。

種類具体例
燃え殻木灰、石炭がら、クリンカ、廃棄物焼却灰、炉清掃掃出物、廃カーボン、廃活性炭、コークス灰、重油灰、煙道灰、アルミ灰、下水道焼却灰、製紙スラッジ焼却灰、各種重金属含有焼却灰、水銀含有ばいじんなど焼却残灰
汚泥有機汚泥(排水処理汚泥、下水汚泥など)、無機汚泥(建設汚泥、珪藻土かす、炭酸カルシウムかすなど)、水銀含有ばいじん、水銀使用製品産業廃棄物
廃油鉱物性油(潤滑油、絶縁油、洗浄油、切削油など)、動植物性油、溶剤、タールピッチなど
廃酸無機廃酸(廃硫酸、廃塩酸、廃硝酸など)、有機廃酸(廃酢酸、廃シュウ酸、廃クエン酸など)、写真定着廃液、染色廃液、エッチング廃液、廃棄飲料などの酸性廃液、水銀含有ばいじん
廃アルカリ脱脂廃液、写真現像廃液、廃ソーダ液、アンモニア廃液、金属せっけん廃液、廃灰汁、ドロマイト廃液、黒液、フォトレジスト剥離液、染色廃液などのアルカリ性廃液、水銀含有ばいじん
廃プラスチック類合成樹脂くず、合成繊維くず、合成ゴムくず(廃タイヤを含む)、塗料かす、廃インキ、接着剤かす、ライニングくず、化粧合板くず、ゴムキャタ、防舷材、廃ベークライト、モールド機器、石綿含有産業廃棄物(Pタイルなど)、水銀使用製品産業廃棄物。ポリプロピレン、ポリエチレン、ナイロン製品、FRP、ユニットバス、漁網、塩ビクロス、塩ビ管、雨樋、ホース、発泡スチロール、発泡ウレタンなど。
ゴムくず生ゴム、天然ゴムくず
金属くず鉄くず、スクラップ、鉄鋼破片、非鉄金属破片、ブリキくず、トタンくず、鉛管くず、銅くず、アルミくず、研磨くず、切削くず、バリ、ショット粉、スチールコード、鉄骨・鉄筋くず、基盤、空き缶、水銀使用製品産業廃棄物
ガラスくず・コンクリートくず・陶磁器くず板ガラス、グラスウール、廃空ビン類、アンプルロス、破損ガラス、ガラス繊維くず、カレットくず、ガラス粉、けい酸カルシウム板、ロックウール系吸音板、土器くず、陶器くず、磁器くず、レンガくず、かわらくず、石膏型、タイルくず、石膏ボードくず、セメントくず、モルタルくず、スレートくず、製造過程などで生ずるコンクリートくず、石綿含有産業廃棄物、水銀使用製品産業廃棄物
鉱さい鋳物廃砂、高炉・転炉・電炉などのスラグ、キューポラ・溶鉱炉のノロ、ドロス、カラミ、スパイス、ボタ、不良鉱石、不良石炭、粉炭かす、鉱じん、アルミドロス、水銀含有ばいじん
がれき類コンクリート破片、アスファルト破片、ALC解体廃材、その他がれき類
ばいじんバグフィルター捕集ダスト、サイクロン捕集ダスト、石炭灰、コークス灰、製紙スラッジ焼却ダスト、SUSダスト、EP灰、廃砂ダスト、転炉ダスト、鉄鋼ダスト、電気炉ダスト、キューポラダスト、各種重金属含有ダスト、水銀含有ばいじん
紙くず建設業に係るもの、パルプ製造業、製紙業、紙加工品製造業、新聞業、出版業、製本業、印刷物加工業から生ずる紙くず、旧ノーカーボン紙、建材の包装紙、板紙など
木くず建設業に係る木くず、伐採材・抜根材、木材・木製品製造業、パルプ製造業、輸入木材卸売業、物品賃貸業から生ずる木くず、木材片、カンナくず、おがくず、バーク類、パレット、梱包材くず、板きれ、廃チップ、樹皮など
繊維くず建設業に係るもの、木綿くず、羊毛くず、麻くず、糸くず、布くず、不良くず、本畳などの天然繊維くず
動植物性残さ食料品製造業、飲料・たばこ・飼料製造業、医薬品製造業、香料製造業で原料として使用した動植物の残さ。例として、あめかす、のりかす、魚や獣のあら、醸造かす、発酵かすなど。
動物系固形不要物と畜場および食鳥処理場で、家畜の解体などにより生じた固形状の不要物
動物のふん尿畜産農業から生じた牛、馬、豚、めん羊、山羊、にわとりなどのふん尿
動物の死体畜産農業から生じた牛、馬、豚、めん羊、山羊、にわとりなどの死体
政令第13号廃棄物上記1~19の産業廃棄物を処理したもので、1〜19に該当しないもの。例として、コンクリート固型化物。

(出典:産業廃棄物処理事業振興財団「産業廃棄物の種類」/https://www2.sanpainet.or.jp/common/image/user/sangyouhaikibutu.pdf)

紙くず・木くず・繊維くずなどは、すべての業種から出れば自動的に産業廃棄物になるわけではなく、建設業や製造業など、業種限定がある品目もあります。この点が、現場で分類を迷いやすい理由の1つです。

特別管理産業廃棄物の種類と具体例

特別管理産業廃棄物は、産業廃棄物のうち、爆発性・毒性・感染性などがあり、人の健康や生活環境に被害を生じるおそれが高いものです。通常の産業廃棄物より厳しい保管・収集運搬・処分基準が適用されます。

区分具体例
廃油揮発油類、灯油類、軽油類(難燃性のタールピッチ類などを除く)
廃酸著しい腐食性を有するpH2.0以下の廃酸
廃アルカリ著しい腐食性を有するpH12.5以上の廃アルカリ
感染性産業廃棄物医療機関などから排出される産業廃棄物であって、感染性病原体が含まれ、もしくは付着しているおそれのあるもの
廃PCBなど廃PCB及びPCBを含む廃油
PCB汚染物PCBが染みこんだ汚泥、PCBが塗布され、または染みこんだ紙くず、PCBが染みこんだ木くずもしくは繊維くず、PCBが付着し、または封入されたプラスチック類もしくは金属くず、PCBが付着した陶磁器くずもしくはがれき類
PCB処理物廃PCB等またはPCB汚染物を処分するために処理したものでPCBを含むもの
廃水銀等①特定の施設において生じた廃水銀等 ②水銀若しくはその化合物が含まれている産業廃棄物または水銀使用製品が産業廃棄物となったものから回収した廃水銀
指定下水汚泥下水道法施行令第13条の4の規定により指定された汚泥
鉱さい重金属などを一定濃度を超えて含むもの
廃石綿等石綿建材除去事業に係るものまたは大気汚染防止法の特定粉じん発生施設が設置されている事業場から生じたもので、飛散するおそれのあるもの
燃え殻重金属など、ダイオキシン類を一定濃度を超えて含むもの
ばいじん重金属など、1,4-ジオキサン、ダイオキシン類を一定濃度を超えて含むもの
廃油有機塩素化合物など、1,4-ジオキサンを含むもの
汚泥、廃酸または廃アルカリ重金属など、PCB、有機塩素化合物など、農薬など、1,4-ジオキサン、ダイオキシン類を一定濃度を超えて含むもの

(出典:環境省「特別管理廃棄物規制の概要」/https://www.env.go.jp/recycle/waste/sp_contr/)

感染性廃棄物やPCB、廃石綿などは、保管や委託の段階で通常より一段厳しい確認が必要です。「危険そうだから特別管理」ではなく、法令上の要件に当てはまるかで判断する必要があります。

一般廃棄物の種類と具体例

一般廃棄物は、産業廃棄物以外の廃棄物すべてを指します。発生する場所と性状によって、次の3つに分けて考えると整理しやすくなります。

事業系一般廃棄物

事業活動に伴って生じたもののうち、産業廃棄物の20種類に当たらないものです。オフィス・店舗・飲食店などから日常的に出るごみの多くがこれに当たります。

  • 事務所から出るコピー用紙、シュレッダーくず、新聞・雑誌などの紙ごみ(建設業や製紙業などの業種指定に当たらないもの)
  • 飲食店や社員食堂の残飯、調理くず
  • 割り箸、木製の文房具などの木くず(業種指定に当たらないもの)
  • 小売店で売れ残った食品(容器・包装を除く)

京都市では、事業所の古紙について分別が義務付けられています。詳しくは京都市の事業所の古紙回収|分別義務・出し方・回収業者の選び方で解説しています。

家庭廃棄物

一般家庭の日常生活から出るごみです。市町村が収集・処理し、出し方は各市町村の分別ルールに従います。事業所のごみを家庭ごみの集積所に出すことはできません。

特別管理一般廃棄物

一般廃棄物のうち、爆発性・毒性・感染性があり、人の健康や生活環境に被害を生じるおそれがあるものです。通常の一般廃棄物とは別の基準で扱われます。

  • 廃エアコン・廃テレビ・廃電子レンジに含まれるPCBを使用した部品
  • ごみ処理施設の集じん施設で生じたばいじん
  • ダイオキシン類を一定濃度を超えて含むばいじん・燃え殻・汚泥
  • 医療機関などから出る感染性一般廃棄物(血液の付いたガーゼ・脱脂綿など)

感染性のものについては感染性一般廃棄物とは?産業廃棄物との違い・具体例もあわせてご覧ください。

新関西テクニカの事業系一般廃棄物の回収

新関西テクニカは、京都市・宇治市・城陽市・京田辺市・八幡市・木津川市・大津市などで一般廃棄物収集運搬業の許可を受けており、飲食店・オフィス・店舗などの事業ごみ(可燃ごみ・飲料容器・古紙など)の定期回収やスポット回収に対応しています。産業廃棄物とあわせて回収の相談ができますので、事業系一般廃棄物の収集運搬のページをご覧ください。

一般廃棄物と産業廃棄物の分類を間違えやすいごみの例

実務で迷いやすいのは、見た目は身近でも、発生場所や材質、業種、内容物の状態によって扱いが変わるごみです。特に、紙・木・繊維・食品・プラスチックは誤分類が起こりやすく、社内で判断を統一しておかないと、現場ごとに処理がぶれやすくなります。

ここでは、よく混同される例を確認していきます。

木くず・紙くず

木くずや紙くずは、すべて産業廃棄物になるわけではありません。たとえば建設業や特定の製造業など、法令で定める業種から生じた木くず・紙くずは産業廃棄物ですが、それ以外の事務所から出る紙ごみなどは事業系一般廃棄物になるのが基本です。

つまり、同じ「紙」でも、工場の製造工程由来か、単なる事務所利用かで扱いが変わります。見た目ではなく、どこから、どんな事業活動に伴って発生したかで判断することが大切です。

たとえば、オフィスで日常的に出るコピー用紙やシュレッダーごみは事業系一般廃棄物として扱われることが多い一方、建設現場で発生した木材片や、製造工程で生じた紙管・加工くずなどは産業廃棄物に該当する場合があります。名称が同じでも、発生工程まで確認することが重要です。

天然繊維と合成繊維の混紡

ユニフォームなどで多い混紡品は、判断が一気に難しくなります。天然繊維だけなら一般廃棄物寄り、合成繊維だけなら廃プラスチック類として産業廃棄物寄りですが、混紡品は素材の構成や全体としての性状で判断されます。

実務上は、複合製品としてどの素材が中心か、分離可能か、総体としてどの種類で扱うべきかを確認する必要があります。素材比率が不明なまま自己判断すると誤分類しやすいため、迷う場合は処理業者や所管自治体への確認が安全です。

特に制服、作業着、カーテン、シーツ類などはポリエステルと綿の混紡が多く、見た目だけでは判断しづらいため、タグや仕様書で素材表示を確認する運用を決めておくと分別しやすくなります。

飲食店や事務所で出た生ごみ

生ごみも発生過程によって変わります。社員食堂や事務所で出る食べ残し、飲食店の残飯など、消費過程から出るものは一般廃棄物として扱うのが基本です。一方、食品製造業の製造工程で、原料として使用した動植物から出る固形状の不要物は、動植物性残さとして産業廃棄物になることがあります。

つまり、同じ食品由来でも「消費段階」なのか「製造工程」なのかが判断の分かれ目です。飲食店や事務所の生ごみは産業廃棄物ではないケースが多いものの、容器類が混ざると別の判断になるため、分別の徹底が欠かせません。

プラスチックでできた梱包材や包装材

事業活動に伴って出たプラスチック製の梱包材や包装材は、基本的に廃プラスチック類として産業廃棄物に当たります。オフィスや店舗で使った発泡スチロール、緩衝材、ラップ類なども対象になりやすい部分です。

家庭ごみ感覚で一括廃棄しやすい品目ですが、事業所から出た時点で扱いは別になります。さらに、プラスチックはほかのごみと混ざると再資源化しにくくなるため、分別排出が重要です。

具体的には、商品の搬入時に出るPPバンド、ストレッチフィルム、エアキャップ、プラスチック製トレーなども対象になりやすく、紙類や残飯と一緒にまとめてしまうと分別の手間が増えます。保管場所の段階で種類ごとに分けておくと、回収や委託時の確認もしやすくなります。

弁当やカップ麺の空き容器

事務所で出た弁当容器やカップ麺容器は、事業活動に伴って生じた廃プラスチック類として産業廃棄物に該当すると示されています。従業員が昼食時に使ったものであっても、事業活動に不可避的に伴って発生したものと整理されるためです。

ただし、食べ残しそのものや木製の割り箸は事業系一般廃棄物になります。同じ弁当ごみでも、容器と中身を分けて考えなければならない点が実務上の落とし穴です。

動物園やペットショップなど畜産業以外で発生した動物の糞尿

「動物のふん尿」は産業廃棄物20種類の1つですが、これは畜産農業に係るものに限られます。そのため、動物園やペットショップ、動物病院などでそのまま排出される動物のふん尿は、一般廃棄物として扱われます。

一方で、排水処理施設を通した結果として生じる汚泥などは、別途「汚泥」として産業廃棄物になることがあります。つまり、元がふん尿でも、そのまま出るのか、処理後の汚泥なのかで区分が変わります。

輸入後に廃棄された食品

通関後に腐敗などで廃棄する輸入食品は、一律に産業廃棄物になるわけではありません。泥状のものは汚泥、液状のものは廃酸・廃アルカリ、それ以外の性状のものは一般廃棄物と整理されています。また、動植物性残さは業種限定かつ「原料として使用した」ものが前提のため、単に通関後に腐敗した食品そのものは必ずしも動植物性残さには当たりません。

食品は「食品だから一般ごみ」と思い込みやすい反面、状態によって区分が変わるため注意が必要です。

社内で正しく分別するためのポイント

分類のルールを理解していても、現場で判断がぶれると誤分類は防げません。社内では次のような仕組みをつくっておくと、担当者が替わっても運用が安定します。

発生場所ごとに「品目と出し先の一覧表」をつくる

事務所・倉庫・工場・厨房など、ごみが出る場所ごとに、品目・区分(産業廃棄物/事業系一般廃棄物)・保管場所・委託先を一覧にしておきます。紙・プラスチック・食品など迷いやすいものは、具体的な品名で書いておくと判断が早くなります。

保管容器を区分ごとに分け、表示する

産業廃棄物と事業系一般廃棄物を同じ容器に入れると、回収や処分の段階で受け入れできなくなることがあります。容器や置き場を分け、品目名を掲示しておきましょう。産業廃棄物の保管基準は産業廃棄物の保管場所のルールで解説しています。

迷ったものは自己判断せずに確認する

新しい品目が出たときや素材がわからないときは、処理業者または自治体の担当窓口に確認し、結果を一覧表に追記します。確認した日付と相手を残しておくと、後から説明を求められたときにも対応しやすくなります。

京都で事業所のごみを出す場合

京都市を含め、事業所から出る一般廃棄物は家庭ごみとして出すことはできず、許可業者への委託や処理施設への搬入など、市のルールに沿った方法で処理します。産業廃棄物を自社で処理施設へ運び込む方法については、京都市で産業廃棄物を持ち込みできる場所をご覧ください。

一般廃棄物と産業廃棄物を間違えた場合の罰則

分類を誤った結果、無許可業者への委託や不法投棄、マニフェスト未交付などにつながると、廃棄物処理法違反として刑事罰の対象になるおそれがあります。

違反内容によって幅はありますが、無許可業者への委託や不法投棄では、5年以下の拘禁刑もしくは1,000万円以下の罰金、またはその併科とされる例があり、法人にはさらに高額な両罰規定が適用される場合もあります。

(出典:e-Gov 法令検索「廃棄物の処理及び清掃に関する法律 第二十五条」/https://laws.e-gov.go.jp/law/345AC0000000137#Mp-Ch_5-At_25)

交付義務違反についても、1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金が定められています。単なる分別ミスで終わるとは限らないため、「判断が曖昧なまま出さない」ことが大切です。

(出典:e-Gov 法令検索「廃棄物の処理及び清掃に関する法律 第二十七条の二」/https://laws.e-gov.go.jp/law/345AC0000000137#Mp-Ch_5-At_27_2)

産業廃棄物の正しい処理方法

産業廃棄物を正しく処理するには、分別だけでなく、委託先の選定、契約、マニフェスト管理まで一連の流れで押さえる必要があります。排出事業者は、処理を外部委託した場合でも責任がなくなるわけではありません。だからこそ、「許可を確認する」「書面契約を結ぶ」「マニフェストで追跡する」という基本を外さないことが重要です。

許認可を確認した上で委託先を定める

まず行いたいのは、委託先が対象となる産業廃棄物について、必要な収集運搬業・処分業の許可を持っているか確認することです。許可は「何でも運べる」「何でも処分できる」ものではなく、品目や区域に応じて範囲があります。

特別管理産業廃棄物であれば、特別管理用の許可が必要です。委託先の会社名だけで安心せず、許可証の内容まで確認することが欠かせません。

産業廃棄物の種類ごとに委託契約を取り交わす

委託する際は、口頭ではなく書面で委託契約を交わす必要があります。また、契約は産業廃棄物の種類に応じて適切に整理されていなければなりません。廃プラスチック類と汚泥のように種類が違えば、契約内容や委託先の許可範囲も変わるためです。

混載前提で曖昧に契約してしまうと、委託基準違反につながるおそれがあります。現場では「いつもの業者だから」で済ませず、契約対象の種類を明確にしておくことが重要です。

マニフェストを利用して管理する

産業廃棄物を引き渡す際は、マニフェストを利用して運搬・処分の流れを管理します。紙マニフェストでも電子マニフェストでもよいですが、排出事業者が自ら交付し、処理終了まで確認し、必要書類を保存することが必要です。

電子マニフェストは、処理状況を把握しやすく、保存や報告の実務負担を軽減しやすい仕組みとして案内されています。委託したら終わりではなく、最終処分まで確認する意識を持つことが、誤処理やトラブルの防止につながります。

また、社内で交付担当者や確認担当者を決めておかないと、返送確認や保存対応が抜けやすくなるため、処理フローとあわせて管理体制も整理しておくと運用が安定します。

一般廃棄物と産業廃棄物についてよくある質問

会社から出たごみは、すべて産業廃棄物ですか?

いいえ。事業活動に伴って生じたごみのうち、法令で定める20種類に当たるものだけが産業廃棄物です。それ以外は事業系一般廃棄物になります。たとえば事務所の紙ごみや残飯は、一般的に事業系一般廃棄物です。

事業系一般廃棄物にもマニフェストは必要ですか?

廃棄物処理法上、マニフェストの交付義務があるのは産業廃棄物です。事業系一般廃棄物には交付義務はありませんが、市町村によっては事業者に減量計画の提出などを求めている場合があります。マニフェストの流れは産業廃棄物マニフェストとは?で解説しています。

一般廃棄物と産業廃棄物を同じ業者に任せられますか?

一般廃棄物の許可(市町村)と産業廃棄物の許可(都道府県・政令市)の両方を持つ業者であれば、両方を任せられます。ただし許可も契約も別々のため、それぞれの許可内容と契約の対象品目を確認してください。

同じ弁当ごみでも区分が分かれるのはなぜですか?

区分は品目ごとに判断するためです。事業所で出た弁当の場合、プラスチック製の容器は廃プラスチック類(産業廃棄物)、食べ残しや割り箸は事業系一般廃棄物になります。容器と中身を分けて捨てるルールにしておくと、誤分類を防げます。

まとめ

一般廃棄物と産業廃棄物の違いは、単に「会社から出たごみかどうか」では決まりません。事業活動に伴って出たもののうち、法令で定める20種類に当たるか、業種限定があるか、材質や性状がどうかによって区分が決まります。

特に、木くず・紙くず・混紡繊維・生ごみ・プラスチック容器・動物のふん尿・輸入食品などは判断を誤りやすいため、社内でルールをそろえておくことが大切です。

委託時は、許可確認、書面契約、マニフェスト管理までを一連で行い、曖昧なものは自己判断せず自治体や専門業者に確認しましょう。

新関西テクニカでは、産業廃棄物の収集運搬だけでなく処分業許可も持ち、一貫対応や持ち込み相談にも対応しています。関西圏で処理体制を見直したい場合は、許可内容まで確認したうえで相談先を選ぶと進めやすいでしょう。

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