産業廃棄物処理とマニフェスト

マニフェストって知ってる？

マニフェストとは？

マニフェストは、産業廃棄物の運搬と処理プロセスを文書化し、追跡および管理するための重要な文書です。
産業廃棄物マニフェストは、産業廃棄物がどこで発生して、どこの業者が運搬して、どこの中間処理施設に搬入されて、その後、どこの最終処分場またはリサイクル施設までの移動とどのように処分されたのかまで、つまり、産業廃棄物の発生から処分までの一連の流れの情報を収集し、記録するための文書です。
マニフェストは複写式で、A票、B１票、B２票、C１票、C２票、D票、E票の７枚綴りで構成されています。

マニフェストの用途

・追跡

マニフェストは廃棄物の移動と処理の経路を文書化するため、廃棄物がどこからどこへ移動したかを追跡できるようにします。これは環境への影響を監視し、コンプライアンスを確保するのに役立ちます。

また、マニフェストには返却期限が設けられており、収集運搬会社・中間処分場から90日以内、最終処分場から180日以内に控えを残して排出事業者に返却することを義務付けられています。

・管理

マニフェストは廃棄物の生成源や処理施設に対する責任を明確にし、廃棄物の適切な管理と処理を促進します。また、法的要件を満たすために必要な文書の一つでもあります。

これらのマニフェストは排出事業者及び処理業者の双方が５年間保管することが義務付けられています。

・情報提供

マニフェストは関係者や規制機関に対して、廃棄物の性質や処理方法に関する情報を提供します。これにより、環境や公衆衛生に関する問題に対処するためのデータが利用できます。

マニフェストの目的

産業廃棄物マニフェストの主な目的は以下の通りです。

・環境保護

マニフェストは廃棄物の適切な処理と廃棄物流の追跡を通じて、環境への悪影響を最小限に抑えることを目的としています。環境に有害な廃棄物の適切な処理と廃棄物の漏洩や不法投棄の防止に寄与します。

・公衆衛生

マニフェストは廃棄物の適切な処理が行われることを確保し、公衆衛生に寄与します。有害な廃棄物が適切に管理されない場合、人々の健康に危険を及ぼす可能性があります。

・法的コンプライアンス

マニフェストは法的要件を満たすために必要な文書の一つであり、規制機関と事業者の間でコンプライアンスを確保する役割を果たします。

産業廃棄物マニフェストは、廃棄物管理と環境保護のために不可欠なものであり、正確な情報の収集と提供が重要です。

マニフェストの構成

マニフェストは複写式のため、基本的にA表に記載されます。

マニフェストには、産業廃棄物の名称、数量、運搬業者名、処分業者名など、産業廃棄物の収集運搬処分などだれが・いつ・なにを・どのように、という産業廃棄物の流れが把握できる情報を記入します。

特に以下の項目に記載漏れがあると正式なマニフェストとして認められないので注意しましょう。

・管理票の交付日と番号

・運搬または処分委託者の名前または名称と住所

・産業廃棄物発生場所の名前と住所

・管理票を交付した担当者の名前

・運搬または処分を受託した者の名前

・運搬先の場所名と住所（積み替えや保管場所の場合、それに関連する住所も含む）

・産業廃棄物の荷姿

・最終処分場所の住所

・マニフェストを提供した者の名前または名称と交付番号（中間処理業者の場合）

・処分を委託した者の名前または名称と規則第八条の三十一第三号に規定する登録番号（中間処理業者で、排出事業者が紙マニフェストを使用している場合）

・産業廃棄物に石綿が含まれる場合、その旨（排出事業者が電子マニフェストを使用している場合）

マニフェストにおける罰則

もし、マニフェストに関する義務に排出事業者が従わなかった場合、廃棄物処理法違反で１年以下の懲役または１００万円以下の罰金が科せられるため注意しましょう。

おもに、マニフェストを発行せずに廃棄物の収集運搬処分を委託した場合やマニフェストに虚偽の内容を記載した場合、マニフェストを適切に保管していなかった場合などが該当します。

まとめ