工場の排水処理や建設工事、飲食店のグリストラップなど、さまざまな現場で「汚泥」が発生します。汚泥は、廃棄物処理法で定められた産業廃棄物の一つで、出し方を誤ると法令違反になるおそれがあります。
この記事では、汚泥とは何かという基本から、種類と具体例、建設汚泥と残土の違い、特別管理産業廃棄物になる汚泥、主な処理方法、処理を委託するときの注意点までをわかりやすく解説します。
汚泥の処分先や出し方でお困りではありませんか?
新関西テクニカは、建設汚泥などの無機性汚泥から、グリストラップの汚泥などの有機性汚泥まで、収集運搬から処分まで一貫して対応しています。汚泥の写真を送っていただければ、処分方法とお見積りをご案内します。
汚泥とは
汚泥とは、事業活動に伴って生じる泥状の廃棄物のことです。廃棄物処理法では、燃え殻・廃油などと並んで、業種を問わず産業廃棄物になるものとして定められています(廃棄物処理法第2条第4項第1号)。東京都環境局の案内では、汚泥の例として「排水処理の汚泥、建設汚泥などの各種泥状物」が挙げられています。
汚泥は、産業廃棄物の中で最も排出量が多い種類です。環境省の調査(2023年度実績)では、産業廃棄物の排出量全体の42.1%を汚泥が占めています。
(出典:廃棄物の処理及び清掃に関する法律(e-Gov法令検索)、東京都環境局の資料、環境省の調査資料)
産業廃棄物の種類全体については、産業廃棄物の20種類とは?定義と具体例・業種による違いを解説もあわせてご覧ください。
汚泥の種類と具体例
汚泥は、含まれる成分によって「有機性汚泥」と「無機性汚泥」に分けて呼ばれることが一般的です。法令上の区分ではありませんが、処理方法を選ぶときの目安になります。
| 分類 | 特徴 | 主な例 |
|---|
| 有機性汚泥 | たんぱく質・脂質・炭水化物など、生物由来の物質を多く含む | 食品工場の排水処理汚泥、下水汚泥、グリストラップの汚泥、ビルピットの汚泥 |
| 無機性汚泥 | 土砂・金属・鉱物など、有機物以外の物質を多く含む | 建設汚泥、ベントナイト泥、めっき汚泥、浄水場の沈でん汚泥、砕石スラッジ |
発生する場所ごとの主な汚泥は次のとおりです。
- 建設汚泥:掘削工事や杭工事、地盤改良などで出る泥状のもの(建設汚泥の処分と処理方法)
- 下水汚泥:下水処理場で下水を処理する過程で出るもの(下水汚泥の処分方法)
- グリストラップの汚泥:飲食店や給食施設のグリストラップの底にたまるもの(グリストラップの汚泥の処理)
- 排水処理汚泥:工場の排水処理施設から出るもの
- めっき汚泥:金属を含む排水を処理したときに出るもの
建設汚泥と残土(建設発生土)の違い
建設工事で掘り出した土のうち、泥状のものは産業廃棄物の「汚泥」、泥状でないものは廃棄物ではない「建設発生土(残土)」として扱われます。どちらに当たるかは、掘削工事で排出される時点の状態で判断します。
判断の目安は、標準仕様のダンプトラックに山積みができず、その上を人が歩けない状態かどうかです。土の強さで表すと、コーン指数がおおむね200kN/㎡以下、または一軸圧縮強さがおおむね50kN/㎡以下のものが汚泥に当たります。
(出典:神戸市の案内(環境省通知を引用)、国土交通省の資料)
建設発生土の扱いは、残土(建設発生土)ってどんなもの?や盛土規制法とは?で詳しく解説しています。
特別管理産業廃棄物になる汚泥
汚泥のうち、人の健康や生活環境に被害を生じるおそれがあるものは「特別管理産業廃棄物」になります。廃棄物処理法施行令第2条の4では、主に次のような汚泥が定められています。
- PCBが染み込んだ汚泥(PCB汚染物)
- 政令で定める工場・事業場から出た汚泥で、水銀・カドミウム・鉛・六価クロム・砒素・シアン・PCB・トリクロロエチレンなどを含み、国が定める基準に適合しないもの
- 下水道法の規定で指定された下水汚泥で、基準に適合しないもの(指定下水汚泥)
基準に適合するかどうかは、汚泥を分析して有害物質の溶け出す量(溶出量)を調べて判断します。主な基準値は次のとおりです。
| 物質 | 判定基準(検液1Lあたり) |
|---|
| 水銀 | 0.005mg以下 |
| カドミウム | 0.09mg以下 |
| 鉛 | 0.3mg以下 |
| 六価クロム | 1.5mg以下 |
| 砒素 | 0.3mg以下 |
(出典:廃棄物処理法施行令(e-Gov法令検索)、金属等を含む産業廃棄物に係る判定基準を定める省令(昭和48年総理府令第5号))
特別管理産業廃棄物になる汚泥は、収集運搬・処分とも特別管理産業廃棄物の許可を持つ業者に委託する必要があります。判定基準の詳細は特定有害産業廃棄物の判定基準で解説しています。
汚泥の主な処理方法
汚泥は水分を多く含むため、まず水分を減らして量を小さくし、そのうえでリサイクルや最終処分を行うのが一般的です。主な処理方法は次のとおりです。
| 処理方法 | 内容 | 主な対象 |
|---|
| 脱水 | 機械で水分を絞り、量を減らす | ほぼすべての汚泥 |
| 乾燥 | 熱や天日で水分を飛ばす | 有機性汚泥など |
| 焼却 | 燃やして有機物を分解し、灰にして量を減らす | 有機性汚泥、下水汚泥など |
| セメント原料化 | 脱水した汚泥や焼却灰をセメントの原料に使う | 下水汚泥、無機性汚泥など |
| 堆肥・肥料化 | 発酵させて堆肥や肥料にする | 食品工場の汚泥、下水汚泥など |
| 改良土化・造粒固化 | 固化材を混ぜて土木資材として使える土にする | 建設汚泥など |
| 埋立 | リサイクルできないものを最終処分場に埋め立てる | リサイクルに向かないもの |
下水汚泥については、国土交通省が肥料としての利用を進めており、2030年までに下水汚泥資源・堆肥の肥料利用量を倍増させる目標が示されています。
(出典:国土交通省「下水汚泥資源の肥料利用」)
どの処理方法が使えるかは、汚泥の成分や含水率、受け入れ先の条件によって変わります。処理を委託するときは、汚泥の性状を業者に正確に伝えることが大切です。
汚泥の処理を委託するときの注意点
許可品目に「汚泥」が含まれているか確認する
汚泥を委託するときは、収集運搬業者と処分業者のそれぞれが、産業廃棄物処理業の許可を持ち、許可品目に「汚泥」が含まれていることを確認します。特別管理産業廃棄物になる汚泥の場合は、特別管理産業廃棄物の許可が必要です。許可証の写しをもらい、有効期限も確認しておきましょう。
汚泥の性状を分析して伝える
有害物質の有無や含水率、油分の量などによって、受け入れできる処理施設や処理方法が変わります。必要に応じて分析を行い、その結果を業者に伝えましょう。性状を正しく伝えないと、受け入れを断られたり、処理の途中でトラブルになったりするおそれがあります。
委託契約を結び、マニフェストを交付する
処理を委託するときは、収集運搬業者・処分業者のそれぞれと書面で委託契約を結び、汚泥を引き渡すときにマニフェスト(産業廃棄物管理票)を交付します。処理が終わったら、返送されたマニフェストで処理の終了を確認します。
汚泥の処理費用の考え方
汚泥の処理費用は、主に「収集運搬費」と「処分費」で構成されます。金額は次のような条件で大きく変わるため、汚泥の状態や量を伝えたうえで見積もりを取ることが必要です。
- 含水率:水分が多いほど量・重さが増え、費用が上がりやすい
- 性状:有害物質や油分の有無、においの強さ
- 量と回収の頻度:1回あたりの量、定期回収かスポットか
- 荷姿:バキューム車での吸引、ドラム缶、フレキシブルコンテナバッグなど
- 運搬距離と処理方法:処理施設までの距離、リサイクルか埋立か
自社で脱水して量を減らすと、処理費用を抑えられる場合があります。ただし、一定規模以上の汚泥の脱水施設を設置するには、都道府県知事などの許可が必要です。
新関西テクニカの汚泥の収集運搬・処分
新関西テクニカでは、建設現場から出る建設汚泥などの無機性汚泥から、グリストラップから出る有機性汚泥まで、収集運搬から処分まで一貫して対応しています。重金属などを含む特別管理産業廃棄物の汚泥の収集運搬も、グループ会社の有限会社キョウリードで対応できます。
対応エリアは、京都府・滋賀県・大阪府・奈良県・兵庫県・三重県です。紙マニフェスト・電子マニフェストのどちらにも対応しています。ご相談・現地調査・お見積りは無料です。詳しくは汚泥の収集運搬のページをご覧ください。
汚泥に関するよくある質問
汚泥と残土はどう見分けますか?
掘削工事で排出される時点で、標準仕様のダンプトラックに山積みができず、その上を人が歩けない状態のものは汚泥になります。判断に迷う場合は、自治体や処理業者に相談してください。
汚泥を自社で脱水・乾燥してもよいですか?
自社の汚泥を自社で処理することはできますが、処理基準を守る必要があります。また、汚泥の脱水施設や乾燥施設のうち一定規模以上のものは、設置に都道府県知事などの許可が必要です。設置前に自治体に確認してください。
汚泥の処理を依頼するときに準備するものはありますか?
汚泥の発生場所と発生工程、おおよその量と回収頻度、現在の保管方法(ピット・ドラム缶など)、汚泥の写真があると、見積もりがスムーズです。分析結果がある場合はあわせてご用意ください。
汚泥の収集運搬・処分は、新関西テクニカにご相談ください
- 建設汚泥などの無機性汚泥から、グリストラップなどの有機性汚泥まで対応
- 特別管理産業廃棄物の汚泥も、グループ会社で収集運搬に対応
- 京都府・滋賀県・大阪府・奈良県・兵庫県・三重県で対応
- ご相談・現地調査・お見積りは無料です
お電話:0774-43-2380(受付 9:00〜17:00/月〜土)
汚泥の収集運搬について →
まとめ
汚泥は、事業活動に伴って生じる泥状の産業廃棄物で、業種を問わず産業廃棄物として扱われます。有機性・無機性など種類が多く、成分や含水率によって処理方法や費用が変わります。有害物質を含み基準に適合しない汚泥は、特別管理産業廃棄物になります。
汚泥を適正に処理するには、性状を把握したうえで、許可品目に「汚泥」を含む業者に委託し、マニフェストで処理の終了まで確認することが大切です。